300文字小説集
@Ak386FMG
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耳元で、いや脳内に直接、ささやく声が聞こえる。お前は、結局その程度なんだよ。
これはいつからだろうか。授業で先生に当てられて間違えたときも、体育祭で全校生徒の前で盛大にこけたときも、部活での試合で友人に勝って勝ち誇った顔をしたときも、テストで満点を取って浮かれたときも。いつだってその声が聞こえてくる。
ある日、僕は、これが幻聴のようなものではないと分かった。聞こえてくるのは自分自身の声だった。鏡の中の自分がささやいているような気がしたのだ。鏡の中には僕の求めている自分がいた。その自分と比べると、今の自分はあまりにもみじめだった。
だからこそ、僕は今でも、彼の言葉に耳を傾けている。
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