第15話
「よし、オルタに負けてらんないよな!俺行ってみるよ!」
そう意気込んでアランが扉の方に進んで行き、後ろからルディがのっしのっしと付いて行った。
『次ハオ主ダナ』
扉さんは跪いたアランを観察している様だった。
自分の時はそれどころじゃなかったけど、こうして眼だけが伸びてジロジロと観察されている様子は側から見ると相当に不気味で恐ろしく感じた。
『オ主ハ…フム…ソウカ』
『コレガオ主ノ証ダ』
そう言って扉さんは何処からともなく紅い宝玉の付いた短剣とリュックをアランの前の前に置いた。
それに気付いたアランと俺達はそろって歓声を上げて2人目の陽月師の誕生を喜んだ。
その後何人かの子供達が続いたが陽月師として扉さんが認めた子供はいなかった。
自分こそはと意気込んで順番待ちをしている子供達に対して扉さんは
『コレ迄ダナ』
『此度ハ実ニ楽シキ時間デアッタ』
『時ガ来ル迄眠ルトシヨウ』
そう言って眼と口が閉まっていき完全に閉まり切る頃には扉さんそのものが薄く、向こう側が透けて見える程になっていった。
まだ扉さんの前までたどり着いていなかった子供達は突然の事に驚き、呆然とその様子を眺めているだけだった。
「陽月師が2人も誕生するとは珍しい年もあるものじゃ。2人はこの後も残っていくように。
他の子達はこれにて成人の儀を終了とする。陽月師になりたかった者、想像していたモンスターを召喚出来なかった者、様々いるじゃろうがまずは外に向かうと良い。
多くの者達がそなたらを待っているじゃろう」
それを聞いた子供達はやっと我に返り、ある者は落ち込み、ある者は目を輝かせ退室して行った。
俺とアラン以外が出て行ってからモンスター爺さんは口を開いた。
「陽月師となったそなたらにはいくつか伝えておかねばならぬ事があるでな。少し長くなるが大事な事じゃ。しっかり聞くんじゃぞ」
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