第14話

扉に認められた。

目の前の杖とカバンを見て、隣で澄ました顔で座っているフーシェンを見て実感がこみ上げて来た。


俺は陽月師になれる!

そう思うと叫ばずにはいられなかった。


「ぃぃいやったぁぁぁぁぁ!!」


俺の叫び声を聞いて後ろの子供たちも歓声を上げた。

特にアランは飛び上がりながらこっちに手を降っている。


「おい、オルタ!やったな!」

「最近は扉から認められた陽月師はおらんかったからこの光景は久々じゃのう」


モンスター爺さんもにこやかにこちらを見ながら祝福してくれていた。


『まぁ共に歩もうと言った手前このぐらいはしてもらわんとな』


フーシェンも若干ひねくれてはいるものの一応は喜んでくれている様だった。


目の前に置いてある杖とカバンは不思議と手に馴染みまるで俺専用に誂えたかの様に感じられた。


『ソレラハ全テオ主専用ニナッテイル。

今後ハ、オ主ニトッテ最適ナ形ニ変化シテイクダロウ』

「そうなのか…ありがとうございました!えっと…扉さん?」

『我ニ特定ノ名ハ無イ。好キニ呼ブガイイ』


俺は最後に扉さんに対して頭を下げてからフーシェンと一緒にアラン達の方に戻って行った。

アランだけでなく他の子供達から揉みくちゃにされながらの手荒い祝福は中々に気分が良かった。

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