第12話

「これで全員の召喚の儀が終わった様じゃの」


モンスター爺さんはそう言って扉の前に立った。

全員の召喚が終わっても扉はまだ光輝き続けているけど、あの扉はどうやってここに現れたのだろう。モンスター爺さんが呼び出した訳でもないだろうし…


「召喚自体は終わったが扉にはもう一つ役割があるのじゃ。皆の中で陽月師になりたいという者はおるかな?」


モンスター爺さんは俺たち、特に俺とアランを見ながらそう言った。


「陽月師になるにはどうすれば良いか知っておるかな?訓練や特訓を経て儂や他の陽月師から認められる事で陽月師になる方法、これが最も一般的じゃな。ただしかなり狭き門じゃ。資質や知識はもちろん、強力なモンスターと共にあることから性格や品性と言った内面的な部分も判断基準になるからの。

じゃが何事にも裏技は存在するのじゃ。

それが扉に見初められること。扉が陽月師を見つけるのじゃ」


扉から放たれていた光が途切れ、上側に真一文字の亀裂が走った。

そこから大きな眼がギョロリと飛び出しこちらを見てくるではないか。

続いて下側にも同様の亀裂が走り腹に響く様な声が聞こえてきた。


『幼キ者共ヨ、我コソハト思ウノナラバ、我ノ前ニ跪キ、頭ヲタレヨ」

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