第11話
「やったな!オルタ!」
そう言ってアランが駆け寄って来た。
心から嬉しがってくれてる様なその笑い顔を見てやっとモンスター爺さんに言われた言葉を理解出来た様な気がした。
陽月師になるための最初の一歩は踏み出せたのだと。
「しかしお前のモンスター不思議だよな。モンスター爺さんもよくわかってなさそうだし。ルディに聞いてもイマイチ分かんないんだよな。
『イニシエ、チカラ、ワカラナイ』
って感じの事言っててさ、知らないわけじゃないんだろうけど上手く伝わってこないんだよな」
「確かによく分かんないけど…なんで片言なのさ?」
「なんでって、ルディはそう喋るぞ。意思疎通が出来てる子達の中でもほとんどは単語とか感情が伝わってくる程度みたいだし」
「…俺のモンスター、めっちゃ喋るんだけど、おかしいのかな…?
自分の毛並み自慢とかいずれ最高のモンスターになってみせるとか」
『おかしいとはなんじゃ!そこは素直にフーシェンってスゴイ!最高!
みたいになるとこじゃろう⁉︎』
「それがホントならオルタのモンスターって実はすげぇ強力なモンスターなのかな。
それ聞いてからだとそのモフモフがだんだん輝いて見えてきた気が…」
『こっちの童の方が物分かりが良さそうじゃな。我の神々しさに遅いながらも気がつくとは中々見どころが…』
「まぁ気のせいだろうけどな!
そろそろ召喚の儀も終わりそうだしモンスター爺さんの方に行こうぜ」
『なっ⁉︎この童め!嘘をつきおったな!ふざけるでない!そもそもお前達の様な10年そこそこしか生きてない様な者に我の美しさが理解できるはずがないのじゃ!我の美しさは例えるなら…』
フーシェンの声は俺にしか聞こえないらしくアランはすたすたと先に行ってしまった。
それでもなお延々と話し続けるフーシェンを見てこれからに少しだけ不安を感じる俺であった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます