第10話

「お前が俺のモンスターなのか…?」


『その通りじゃ、なにか不満でもあると申すか?』


「いやいや、不満っていうより思ってたのと違うと言うか…」


『これじゃから最近の若いもんは…この神々しいまでの美しい毛並み!知性を感じさせる凛々しい眼!しなやかに伸びる脚!これ以上とないぐらい最高じゃと思わんか⁉︎』


「確かに言われて見れば綺麗だしかっこいいけど…陽月師になれるくらい強力なモンスターとはちょっと思えないと言うか…」


『煮え切らないやつじゃのう!良く聞くが良い!我が名はフーシェン!いずれ世界に名を轟かす最強、最高のモンスターじゃ!』


「フーシェン…」


名を告げられハッと思い出した。

モンスターの方から名前を教えてくれるのは陽月師としての資質があると言う話を。

慌ててモンスター爺さんの方を見ると、


「このモンスターは何とも不思議じゃのう。動物種の様じゃが秘めたる力は並々ならぬ物を感じる…まさか神話種…いや、どう見てもあの姿は狐そのもの…」


一人ぶつぶつと何かを喋っているモンスター爺さん、周りの子供達は「かわいいー」とか「さわってみたーい」とか言ってる様だ。


我に返ったモンスター爺さんは


「な、なんにせよお主も陽月師としての資質はありそうじゃのう。モンスターとの意思疎通もしっかりできる様じゃしな」


などとさらっと告げて来たのだった。


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