第9話

召喚の儀はその後も続いたがアランのような強力なモンスターを召喚したものはいなかった。

そして待ちに待った俺の番が回って来た。


「次はお主じゃな、頑張るんじゃぞ」


「オルターしっかりやれよー!」


アランが楽しそうに声をかけて来た。

さっきから他の子達にルディを自慢しては触らせてあげたりしていて、ちょっと調子に乗っているのだろう。

少しイラッとしたのは秘密だ。


気をとりなおして扉の前に立つ。

ここまで何人もの子供達の召喚の儀を見てきたが正面に立つとなんだか気圧される感じがしたが、この感じに負けたら強いモンスターも召喚出来ないと思い気合を入れる。


『俺は陽月師になるんだ!一緒に戦ってくれ!』


そう扉に願うと不意に声が聞こえた。


『そなたは我に何を望むのか?

強さか?親愛か?知恵か?』


『強さも欲しいし賢い方がいいな…

でも一番は仲良くしたいかな』


そう願うと扉が輝きを放ち、少しずつ開いていった。

向こう側から暖かい光がさしこみ、


『まぁ良いじゃろう。我を失望させてくれるなよ』


そう言って扉から現れたのは…

モッフモフの狐だった。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る