第4話

扉が開かれた先は真っ白な空間だった。

天井は高く光が差し込み、その光を受けた柱の一つ一つが眩しく見えた。

奥の方には白く長い髭を蓄えた老人が立っていて俺達を待っていた。


聖堂の真ん中ぐらいまで進むと扉が静かに閉まり、老人が口を開いた。


「諸君、成人おめでとう。

これより成人の儀を執り行う」


緊張する俺達に対し朗々と老人は言った。



女神リゼット様に請い願う

この者達に祝福を

この者達に幸福を

この者達に栄光を

この者達に繁栄を

願わくば行く先を照らしたもう

願わくば行く末をまもりたもう

女神リゼット様に請い願う

この者達に幸多からん事を



老人がそう言った瞬間俺達のいる場所は暖かな光で包まれた。

そこにいる誰もがリゼット様の祝福を受けている事を感じ誰に言われるでもなく自然と目を閉じ頭を下げた。





その願いしかと聞き届けました




聖堂にはどこからともなく小さくも美しい声が響きわたり俺達の心に染み込んで来た。



暖かな光が収まると老人が


「以上をもって成人の儀を終了とする。諸君、楽にして良いぞ」


途端に人の良さそうな笑顔になると続けて


「ではこれより諸君が待ちに待った召喚の儀を始めようではないか!」


その瞬間老人と俺達の間には輝きを放つ扉が現れたのだった。

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