第3話

「早く召喚の儀を行いたいという気持ちは分かるがまずは成人の儀があるということを忘れないように。

成人の儀をおろそかにした者は女神リゼット様からの祝福は頂けませんよ。召喚の儀を行なっても祝福がなければモンスター達は答えてくれないでしょう」


お偉いさんがそう言うとまた子供達はシンとなった。


「では儀式本番も今のように真面目に聞くように。くれぐれもふざけたり騒いだりしてはいけませんからね。

わかった人から私に付いて来て下さい。聖堂に向かいましょう」


そう言ってお偉いさんは歩き出してしまった。

それを見ていた子供達は我先にと競うように、それでも言いつけを守って静かに聖堂に向かって行った。


「おい、オルタ。俺たちも行こうぜ。置いていかれちまうぞ!」


「わかってるよ、今行くってば」





そうしてアランと一緒に歩く事数分、お偉いさんが大きな扉の前で立ち止まっていた。


「この先が聖堂です。中に全員が入ったら扉が閉まり成人の儀は始まります。

そのまま召喚の儀を終えるまでこの扉は開かない事になっています。

私が案内出来るのはここまで、皆さん私の話した事を忘れずにしっかりと儀式を受けるように。

それと最後に一言」



そう言ったお偉いさんはにっこりと笑ってこう言った。


「成人、おめでとう」

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