第2話

「なぁオルタ、どんなモンスターが召喚されるかな?」


そう話しかけて来たのは幼馴染のアランだった。

小さい頃から一緒に陽月師を目指して特訓して来て今日の儀式を楽しみにしていた一人だ。


「俺はなんていっても竜種がいいな!強いしかっこいいし、あのイヴさんもこの儀式で竜種を召喚したんだもんな!」


アランの言うイヴさんは伝説的な陽月師だ。女性初の最高難度ダンジョンの制覇者であり未だ現役であること、さらにはとんでもない美人ということで有名だ。

俺たち子供だけじゃなく大人、特に男性からの人気がすさまじいらしい。


鼻息を荒くするアランの言葉を聞き流しながら自分ならどんなモンスターを召喚出来るのか考えていた。

育った村では陽月師を見ることはなかったけどモンスターと一緒に生活している人は多かった。

力の強いモンスターと共に農作業をしている隣の家のおじさんや足の速いモンスターとあちこちの村を行ったり来たりしていた商人の兄ちゃん、村に一つしかない宿では火を操るモンスターがいて女将さんのそばで煮炊きやお湯を沸かしていた。


家のある田舎ですらモンスターはなくてはならない存在で、今儀式を受けに来ているこの中心都市【イグシル】にとっては生活を支えてくれる良き隣人としてあちらこちらで見かけることが出来た。


モンスターとは確かに人生を共に歩むパートナーになりうる存在だった。

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