7-4
僕達は朝食を食べた後、Dランクの場所まで移動した。
出会う事はないとは思うけど冒険者に出会ったら大変なので、人も感知してもらいながら進んだ。
大雑把だけど、商業協会で貰った地図が役に立っている。
「でもあるのかな? 全部発見されて許可いたりしない?」
今更ながらそう思った。
『大丈夫よ。そんな事したらそれがねじり樹だってわかっちゃうからね。本当に信頼できる冒険者と一緒に、Aランクとかで採取しているわよ。滅多に冒険者来ないでしょ? それよりも今日からDランクのところに寝泊りする事になるからモンスターには気を付けないとね』
僕は頷いた。
ラスが感知してくれているとはいえ、気がついて逃げても向こうの方が足が速くて追いかけられれば、逃げきれないからね。そうなったらラスに倒してもらうしかないけど。
本によると、見た目もねじれているみたいだからわかりやすいと言えばわかりやすい。ラスにサーチしてもらうから間違う事はないけど、直ぐには見つからないだろうな。
こうして彷徨う事10日。やっと見つけた。結局、僕達が探していたDランクの場所にはなく、Bランクの場所まで来ちゃった。
「あったね。ありがとうラス。疲れてない?」
ねじり樹は、見た目も本当にねじれている。木の種類なんてよくわかんないからこれじゃ見分けがつかない。さっきも似たような木があったけど、違うんだね。
『ありがとう。大丈夫よ。あなた達も疲れたでしょう。シールドを張ったから休憩したら?』
「うん。そうする。発見したから一旦休憩しよう。ちょうど昼時だし何か食べよう」
「「やったぁ!」」
二人は、凄く喜んだ。
買ってきた食材は底をついたので、果実などを食べていた。鳥を発見すれば、それを射止めゲットして置いているけどね。
昼食を食べた後、安心したのか眠そうで、二人はリアカーで寝てしまった。
僕は、採取と調合の用意の為、まずは道具作りだ。
『まずは、樹液を採取する道具を作るわよ。ジョウロって知ってる? あういう形の瓶を鍾乳石で作ってもらうわ』
「難しい事いうね。筒って難しいんだけど」
『簡単よ。棒に穴を空けて作って、瓶とつなげればいいのよ。棒は上側に斜めに付けてね。それをいくつも作りましょう』
「わかった」
『あ、それにも一応マーク入れてね。そうね、劣化を遅くするのをイメージして』
「うん」
それを作る為の穴あけ棒を刃を作ったのと同じ材料の鍾乳石で作ってもらった。持ち手は木。これ太さが自由自在。なんて便利なんだ。
瓶は普通に、鍾乳石をくり抜いて作った。ジョウロと違うのは、蓋がある事。出っ張りを作ってスライドして固定するバケツと同じ形にした。筒にも蓋を付けた。
こうして僕専用の樹液瓶が出来上がった。
『上出来よ。チェック』
********************************
樹液瓶:スラゼ用
製作者:スラゼ【加護:Eランク】
耐久度:100%
【ミミミラスの加護:腐敗速度低下/強度強化】
【ミミミラスの加護:腐敗保護/使用制限/強度強化/シールド保護】
********************************
「使用制限? 僕専用なのに更に?」
『専用なのはスラゼが使うと効果が発揮するってだけで、使用制限を掛けないと使えちゃうのよ瓶としてね。つまり中身が入っていたら中身が出せちゃうのよ』
なるほど。鑑定しても僕専用だけど、実は僕にしか使えないって事か。
『あとは、
「一緒?」
薬研が何かもわからないのに言われてもなぁ。
『乳鉢はわかるわよね? まずはそれを作ってくれる』
「うん」
こうして僕は、ラスに言われるまま鍾乳石を使って道具を作っていった。
□
乳鉢はお椀みたいな形。そしてそれに入る大きさでちょっと上がはみ出るボール玉を作らされた。それと、乳棒。
後は、丸く切ったシートに樹皮をひっつけ、縁ににひも状にしたシートを通しシート巾着の出来上がり。キュッと紐を引っ張り口を閉めると、樹皮側が内側になる。どうやって使うかは不明。
『うまく行ったわよ。チェック』
********************************
乳鉢:スラゼ用
製作者:スラゼ【加護:Eランク】
耐久度:100%
【ミミミラスの加護:強度強化】
【ミミミラスの加護:精度安定/使用制限/強度強化/シールド保護】
********************************
********************************
薬研玉:スラゼ用
製作者:スラゼ【加護:Eランク】
耐久度:100%
【ミミミラスの加護:強度強化】
【ミミミラスの加護:圧力均一/使用制限/強度強化/シールド保護】
********************************
********************************
乳棒:スラゼ用
製作者:スラゼ【加護:Eランク】
耐久度:100%
【ミミミラスの加護:強度強化】
【ミミミラスの加護:粉砕均一/使用制限/強度強化/シールド保護】
********************************
********************************
粉砕袋:スラゼ用
製作者:スラゼ【加護:Eランク】
耐久度:100%
【ミミミラスの加護:強度強化】
【ミミミラスの加護:関連引継/使用制限/強度強化/シールド保護】
********************************
「おぉ。ありがとうラス。あ、この関連引継って何?」
『それはね、その袋に薬の材料をいれるんだけど、今回ならハッコウの実を入れるの。それを乳鉢の上に置いてまずは薬研玉ですりつぶす』
「袋のまま?」
『そうよ。そうすると、乳鉢と薬研玉の効力がこの袋に引き継がれるの。つまり同じ効果があるって事。で、そのまま乳棒でさらに粉砕。粉末にするの。道具が汚れなくていいでしょう?』
「ラス、凄いよ!」
『あとは、サジと調合用の瓶ね』
「あ、それと、出来れば調合用の道具を洗う物も欲しいかな。バケツを別にしたい」
『そうね。そういうのも作りましょうか。休憩しなくて大丈夫?』
「うん。作っちゃいたい」
『わかったわ。瓶は、渡すのは市販のを使いましょう。今から作るのはスラゼ用のよ』
「わかった。渡す時は移し替えるよ」
こうして更に道具を作っていった。
サジも何本も作り、瓶も作り置きした。どうせいっぱい入る袋にいれるのだから問題ない。
********************************
調合用サジ:スラゼ用
製作者:スラゼ【加護:Eランク】
耐久度:100%
【ミミミラスの加護:強度強化】
【ミミミラスの加護:自動計量/使用制限/強度強化/シールド保護】
********************************
********************************
調合瓶:スラゼ用
製作者:スラゼ【加護:Eランク】
耐久度:100%
【ミミミラスの加護:強度強化】
【ミミミラスの加護:適正調合/使用制限/強度強化/シールド保護】
********************************
********************************
保存瓶:スラゼ用
製作者:スラゼ【加護:Eランク】
耐久度:100%
【ミミミラスの加護:強度強化】
【ミミミラスの加護:腐敗保護/使用制限/強度強化/シールド保護】
********************************
********************************
洗浄袋:スラゼ用
製作者:スラゼ【加護:Eランク】
耐久度:100%
【ミミミラスの加護:強度強化】
【ミミミラスの加護:瞬間洗浄/使用制限/強度強化/シールド保護】
********************************
洗浄袋は、水を入れて振ると洗浄されるらしい。凄すぎる。
さて、準備は整った!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます