暴露話 利根田 理子の苦手なもの

 

 

 


 

 やあ諸君こんばんは、おはようこんにちは?


 私だ、利根田とねだ 理子りこだ。個人的には此処に引っ張り出されたくなかったのだがおかみからの電波的な指令により此処に立たされている。私に休暇はないのだろうか。時給を上げて欲しい。

 

 え? レギュラーもとい役員階級には時間給はない? むしろ愛の使者なら無償で馬車馬のように働け?


 男……じゃなくてもサラリーマンはつらいよ


 まぁいい、私も女だ。女は度胸だ。 


 という訳で今回は私の苦手なものを暴露しよう。思うに日頃の感謝の気持ちを表すのならば私ではなくお上が身体を張るべきだと思うのだがどうだろう?下に全てやらす上などクソだと思わないか?だろう?そうだろう?諸君もそう思うだろう?


 え?コリネトの暴露話など露程も興味ない?引っ込めクソ野郎?お、おう、お上がそんな哀れな好感度とは思わなかったんだ…なんかすまんな…。わかった…機動戦士ではないがこの利根田 理子もオメガバース布教の為に日夜闘う愛の先導士もとい戦士である


 であるからして



 

 利根田 理子 いきまーす!!




 あれはな、私がまだ五歳の超絶プリティーな愛らしきモブ顔かわい子ちゃんであり、自分が花粉症を前世から持ち越しているとまだ知らなかった純真な頃のことだ……


 え? お前のどこが純真だ? 墨汁レベルで真っ黒だろ?


 この愛の戦士に何を言っているのかなきみは? 月に代わってお仕置きがてらケシカス塗れにしてやるから後で覚えておけよ


 まあいい、正直花粉症とずっ友など絶望感しかないがまあいい。ブタクサなど私が総理大臣になったら全て燃やし尽くしてやると国民の代表として誓ってあげる所存だがまあいい。

 

 問題はここからである。

 

 あれは私がかもめ組のみんなと公園までお散歩した時のことだ。


 正直私の精神年齢は三十路の成人女性であるので、この時も同年代ながら大人の女性の風格を漂わせ私はお姉さん気取りでみんなの面倒を見ていた。


「やー! りこちゃんはわたしとあそぶのー!」

「わたしとやくそくしてたのー!」

「りこちゃんあっちであそぼー!」


 みよ、このモテ具合。 

 天上天下、我が天下。

 これぞ我がハーレムであろう。人呼んで楽園の女王とはこの私のこ……すんません調子乗りました。


 まあここまでは私も鼻の下を伸ばし鼻高々になる形だったのでよかったのだ。


 問題はここからであった。


「わーたーしーとー!」

「おいぶす、さらにぶさいくになってるぞ」

「やー!」

「あっちー!」


 一人ムカつく野郎もとい健太という雑音が入っていたがそこもまあいい。

 勿論後でこけたフリして水浸しにした泥団子をぶん投げてやったがまあいい。

 

 大人気の私は体を前後左右から引っ張られた。どこの処刑方法だ。


 左に一、右に一、前にあっかんべーと舌を出して指差しながらげらげら馬鹿にしてくる敵一、後ろに一である。 


 四面楚歌か。女もつらいよ


 子供の力と侮るなかれ、加減のない力程恐ろしきものはない…。


 あれが江戸時代に子供が体験したという経験なのだろう…。しかも三人だから更に痛い。私も流石に今世これで終わりかと覚悟したほどである。

 

 享年五歳。美人薄命。儚き命であった…。そして名奉行大岡越前守忠助さんは流石に降臨してはくれなかった。


 というわけでモテ過ぎて意識を飛ばしかけた私なのだが、名奉行の代わりに救いの手を差し伸べてくれたのは我らが園長先生である。


 園長先生好きです結婚してください。歳の差五十五歳とか同性愛とかこの愛の前では然したるものです。


 だが不幸な事故が重なった。

 そう、偶然であり不幸過ぎる事故である。


 まず一つ、神出鬼没と名高い園長先生が急にこれこれとたしなめる様に現れたことで驚いた全員が全員手を離したこと

 一つはここが公園であり、そこらの排水溝からは水気が。そこらの芝生には隠れやすそうな茂みも多かったこと

 一つは私も急にふっとばされたことでたたらを踏むも踏ん張り切れず、すんごい勢いで前方へと吹っ飛んだこと

 一つは健太の運動神経がよかったのであいつは私を受け止めるということもせず避けやがったこと


 そして最後の一つは―――



 前方の吹っ飛んだ茂みの下でのんびり休んでおられたカエル様が、ちょうど我が腹の落下地点にいたこと……だ……!!!



 目が合ったアマガエル様は最期の最後までつぶらな瞳をされていらした………



 スローモーションの様に今でも思い出せる………



 お腹の下で断末魔の悲鳴もなく幼稚園の制服へとリアルド根性蛙されてしまった彼の姿を―――



 不屈の闘志をもつ私といえど、あの時ほど立ち上がることに恐怖を覚えた時はない。


 なんかべっちょという音がしたのである。なんかじんわりしてる気がするような気がするのである。なんか絶対腹の下に何か――――



 

 その後、あれだけ遊びたがられてモテモテだった私だが、掌を返されたように皆私を遠巻きにし、その日は距離を置かれて泣きながら帰宅した。三十路でも泣く時は泣くのである。ほら、身体年齢五歳だし。


 大号泣だった。もう何の水分か分からないものでいっぱいだった。そしてド根性蛙様も恐らく大号泣だった。主に血ほか自主規制で。そして洗濯することになった園長先生も流石に冷や汗だった。主にグロ過ぎるので。


 最初はぴょんヨシ女ぴょんヨシ女と馬鹿にしていた健太でさえ何か慰めてきてたが、私の心の傷はとてつもなく深かった。マリアナ海溝も真っ青なくらい深かった。



 つまりだ、私は何が言いたいかというと―――




 カエルが大の苦手である


 












 

 別段読まずとも本編に支障はない☆

 普段はやらないが、今作は布教が主目的なのでリップサービス多めである

 うむ、同士諸君、入信を心待ちにしておるぞ

 そして上手い人が書いた作品を早くわしも読みた……


 げふん


 まぁ雰囲気で気楽に楽しんで頂ければ幸いです(笑)

 ではでは~♪

 


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