第7話 バトルドーム
「バトルドォォォォォォム!」
そう叫びながら青のお姫様は部屋に入ってきました。
「…一体何事よ?」
「ついに再現できたんだよ!かつて人間さんたちの中で熱狂的なブームをもたらしたものを!」
「何それ?」
「これだ!」
青のお姫様は机の上に何かを取り出した。
それは黒く、その名の通りドーム状になっておりパチンコのようなフリッパー状の物が付いた箇所が4か所あり中にはベル等のギミックらしきものが見えていました。
「これが、これが、これがッ!バトルドームだ!プレイすれば超エキサイティングな事請け合いのスーパーアイテム!」
しかし、青のお姫様の予想に反して他のお姫様たちの反応はいまいちでした。
「………これが?」
「あまりそんな感じはしないけどなぁ…」
「…検索完了。これは、青のお姫様の管轄内である旧日本国内で子供たちに大人気だった対戦型ピンボールゲーム。キャッチコピーはボールを相手のゴールにシュゥゥゥーッ。超、エキサイティン。3Dアクションゲームをうたったこれを持っていた子供は一種のステータスとなり、友達沢山の勝ち組人生を送ったとか。それから数年後ネット技術の発展で掘り起こされ再びブームを引き起こし。当時子供だった人間は大人となりそれを懐かしんだ者たちによるカルト的人気を誇り後世に名を遺した物」
「……私たちには何の思い入れもないわよ」
「それはこれから作れば良いんだよ!さぁ、席に着いた着いた!」
促されるままに着席をしたお姫様たち。
あまり盛り上がらない空気の中一戦目が終わりました。
「当然のごとく私の一人勝ち!ドベは赤のお姫様だね」
「こんな事で得意げにされても困るんだけど?」
「逆にこんな事でも勝てないんだぁー」
青のお姫様のその発言にイラっとした表情を浮かべた赤のお姫様は
「やってやろうじゃない!もう一戦やるわよ!」
簡単に挑発に乗るのでした。
しかし、何回戦っても赤のお姫様は青のお姫様に勝つことができませんでした。
「うぐぐぐぐぐぐッ」
「もう諦めたら?」
「納得行かない!白も黒も一回以上一位になってるのに私だけ一度も一位にならないまま終わるなんて許せない!」
赤のお姫様は負けず嫌いでした。
それから何度も何度も挑戦しましたが結局一度も一位になることはできませんでした。
「なんでよ!なんで勝てないのよ!青のお姫様なんかインチキしてるでしょ!」
「このゲームのどこにインチキ要素があるの?」
「それは…」
「赤のお姫様は玉を打つタイミングが悪いんだよ。ちゃんとよく狙ってタイミング計らないと」
「うっさい!」
ちなみに、青のお姫様はこのゲームをやり込んでいました。
その制度は打てば大体相手のゴールにシュートできる程完璧に。
しかし、対戦を重ねるうちに白と黒のお姫様も行動が最適化され青のお姫様の放ったボールをボールで打ち落とす技術を身に着けたのでした。
そして、弾かれたボールは大体赤のお姫様の領地に転がりボールの8割が赤のお姫様の領地に転がり込んでいたのでした。
そうなったら、もはやジリ貧。赤のお姫様の打ち放ったボールはなだれ込むボールに阻害され手元に戻って来てしまっていました。
つまり、赤のお姫様は全員から狙い撃ちにされていたのでした。
「まぁ、その事実に気づけないあたり勝ち目ないよねぇ…」
「そろそろやめてあげようよ」
「…?なんの話よ?」
「手加減してあげよっかって話」
「冗談!施された勝利に勝ちなんて無いわよ!もう一戦やるわよ!」
結果、この日はマザーに怒られるまで対戦が続きましたとさ
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