第4話  サークル勧誘

 外に出た瞬間に大量の人の波になまれた

 「君もテニサーになろう!!」

 「いや、我々映画研と一緒に映画を作ろう!!」

 「アニオタ同好会なんてどうかな!?アニメを見たり感想を言いあったりするよ!!」

 「スキューバーダイビングやってみないか!?」

 「いや、結構です!!」

 一歩外に出た瞬間に色々なサークルに囲まれてしまった。

 というか、どこのサークルも人数が欲しいのか知らないけど皆んな目がやばい。あれは、人を狩ろうとする目だぞ。

 そんなことより、吉野さんはどこだろう。人が多すぎて見つけられない。

 「弓道同好会どう?」

 「え?」

 僕に話かけてきたのは茶髪でポニテの美女だった。

 やば、めっちゃ可愛いですやん。ついついジーと美女を見つめてしまう。

 「あの?大丈夫?」

 「はっ!」

 女性に着て欲しいランキング3位に袴がランクインしてるのと、髪型はポニテが1番好きなのが相まって軽く失神するとこだった。

 危ない、危ない。彼女がいなかったら告白してるところだったわ。

 美女に誘われたのは嬉しいけど断るか、、

 「その人料理サークルに入るので、すいません」

 口を開こうとした瞬間後ろから冷たい声が聞こえた。

 この声は、、、

 「吉野さん!!」

 「行こう、田中君」

 僕の手を取り吉野さんはその場を去る。

 振り返ると袴の女性が手を振っていた。やっぱり可愛いなぁーあの人。手を振り返そうかな

 「ねぇ、田中君?」

 「は、はひ。なんでしょうか?」

 片手をあげようとした時に、後ろから殺気に近い何かを感じる。

 「そんなに、あの人が気になる?」

 「そんなことありません!!」

 「本当に?誤魔化してない?」

 「そ、そんなことあり、、ま、、、、」

 言い訳をしようとしたが、まるで時が止まったように声が出なくなった。

 吉野さんの服をしっかりと見たら、エプロンだった。女性に着て欲しいランキング第2位がエプロンである、僕は彼女が来ているという事実もあり目を奪われてしまう。

 「やっぱり、言葉に詰まるってことは気になるんじゃない!!確かに私より可愛いけど!!」

 そう言いほっぺを膨らませる彼女。

 あかん、その格好でその顔はあかん。そんなことされたら、思わず告白してしまうじゃないか!

 「好きです。結婚してください!!」

 「ふぇ?」

 あるぇ?なんか今、口に出ちゃった気がする。

 なんか吉野さんの顔が真っ赤になったんだけど、すごい可愛い。

 「ちょ、ちょっと、いきなり何!?びっくりしちゃうじゃない!!」

 「いや、吉野さんすごい可愛いなって思って、ついつい。」

 「もう、こんなとこでやめてよ。照れちゃうじゃない。」

 「吉野さん、、、」

 「田中君、、、」



 こと後、周りにいた人達に冷やかされて、いっとき『見せつけの田中』ってあだ名がつけられたのはまた別の話


 こうして、無事僕は彼女と同じサークルに入れるのであった。

 

 

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