第2話     入学式の朝

 今日は、西田大学の入学式がある日である。なのだが1人の女性は未だにベッドの上で枕に顔を埋めている。


 「どうしよう、今日入学式だぁ」

 吉野由利こと、私は今日から大学生です。

 姉がサークルに入っていて、その見学も兼ねて自宅学習期間中によく大学に入れさせてもらっていたので、不安などはないけど1つだけ気になることがあるそれは、、、

 「田中君と顔合わせられないよぉぉぉ」

 たまたま、自宅学習期間中にサークルの手伝いで大学に行っていた時に警察官に捕まっていた田中君と出会った。

 実は同じ高校だったけど、田中君と同じ学科ではなく喋った事はなかったのだが、工業系の資格などで毎回表彰されてるのを見て気がついたら好きになっていた。

  

 大学であった時に勢いと初めて喋れた嬉しさで告白してしまったけど、返事はOKを貰えた!!

 けど、田中君私のことを年上だと勘違いしてるみたい。


 告白したとき、、、

 『やったぁぁぁぁぁぁ!!年上の彼女出来たぁぁぁぁぁぁぁ!!』

 って言ってたし、私も嬉しさのせいで誤解を解くのを忘れてた。

 どうしよう、もし本当のこと言って嫌われてしまったら。

 考えただけで、涙が出そう。

 もう、こうなったら嘘を通そう、バレたらその時考えたらいい。と自分に言い聞かせる。

 「そうなると、サークルの先輩方とかには言っておかないといけない。」

 電話をかけながら呟く。

 「もしもし、お姉ちゃん」

 電話をかけた相手はサークル勧誘のための準備で朝早く出かけた姉である。

 「お願いがあるんだけどーーー」


 「よしこれでひとまず安心」

 姉との通話を切り息を吐く。これで、姉が私の知り合いに根回しをしてくれるはすだ。

 彼とは、学科は違うし大丈夫だろう。


 「って、急がないと遅刻しちゃう!!」

 そうして、私は大慌てで着替え大学へ行くのであった。

 

 門を潜った後、遠目に彼を見つけて赤面したのはまた、別のお話。

 

 

 

 

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