大きな嘘で始めた恋愛

大貴

第1話   プロローグ

 私立の高校に通っている3年の田中進こと僕はある決意をしていた。


 私立の高校の特徴なのだが入試の関係で1月の後半から卒業式まで長めの春休みがある。その時を利用して僕は、やらないといけないことがある。それはーーー


春から通う、大学の下見、、、という建前のもと年上の大学生の彼女を作るために、観察しに行かねばならない!!


 家から歩いて20分の所にある西田大学に着き、校門の中を通る。

 色々な作戦を考えてみたが、人が沢山いる中で自分が高校生だとバレることはないと思い、好きかってに中に入ることにした。

 10時過ぎのせいか、あまり人がいないよう

だ。

 「お!?あれは!」

  僕の視線の先には、ちらほらと女性が見える。グラマーの女性もいれば、まな板先輩もいる。

 自分の高校が工業科ということもあり、男子しかいなかったので、女性が居るとついつい見てしまう。

 しかし、こうしてみると、可愛い女性が沢山いるように思える。10人中8人が美女であった。

 目の保養は出来たので、彼女を作る為に勇気を出して声をかけようと一歩踏み出した時に、肩に誰かの手が置かれた。

 「君少しいいかな?さっきから立ち止まって女性を見ていたけど、何してるのかな?」

 野生の警察官に見つかった。もう駄目だおしまいだ!!

 「いや、その、なんというか、、、ね?」

 「いや、ね?じゃないよ。ここ最近色々物騒だから、疑う訳じゃないけど、もしもの時がね?」

 がっつり疑われてるけど?まぁ、不法侵入ぽいことしてるけど、、、

 仕方ない、ここは誠意を込めて土下寝でもするか、、、膝を地面につけようとしたその時、

 「ごめんなさい!!こいつ、高校生なんですけど、4月からうちのサークルに入りたいって言ってた子なんです。なので今日は見学させるために外で待っていてってお願いしてたんですよ」

 天使がそこにいた。

 黒髪のセミロングヘアで絶世の美女という、わけではないが顔立ちが整っていて、可愛いという印象を持った。

 「そっか、次からは、勘違いされるようなことはしないように、気をつけるように」

 警察官は、僕の肩に手を置いた後、元の場所へと戻っていった。

 「ありがとうございます」

 助けてくれた女性に礼を言う。女性は、手をひらひらさせながら、「そんな気にしなくていいよ」と笑顔で軽い感じで答える。

 その笑顔を見て、心臓の鼓動が早くなるのを感じた。

 自分でも単純だと思うが、この女性に一目惚れしてしまったのだと自覚した。

 「あの、、唐突で申し訳ないんですけど、俺とつき「好きです!私と付き合ってください!!」

 え?告白する前に先に告白された?まじで?

 「俺で良ければ?」

 こうして、意図せずに僕に彼女が出来るのであった。

 

 

 

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