第2話
第二回
受付のところで変わった女がいるから何者だいと聞くと貴重品を内緒で見せてくれた。
それも吉沢がこのクラブでは顔だからである。
高級ブランドのバッグの内側の名刺を見ると黒木瞳と書いてある。
吉沢はその名前をどこかで聞いたことがあるような気がした。
気になったというのはその若奥様が不良に言い寄られているからだった。
吉沢はその若奥様のところに行った。
「おい、ちょっとやめてくれない。この人、俺のねえちゃんなんだけど」
このクラブの顔である吉沢がそう言ったので不良たちは手を引いた。
その若奥様と吉沢の目が合った。
吉沢はきれいな人だと思った。若奥様はにっこりとほほえんだ。
「おくさん、興味本位かここに来たんですか」
「困っているところを助けてくれてありがとう」
「あなた、金持ちみたいだけど、あなたみたいな人が来ると、
ここにはろくな奴がいないからたかられますよ」
「そう」
若奥様はそれほど気にしていないみたいだった。
会話の途中でその若奥様の年齢を聞いた吉沢は意外と年を取っているのでびっくりした。
十五さいは若く見える。
「あなた、バイクに乗っているの」
「ええ」
「ねえ、あたしを乗せてくれない」
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