第4話 過去でも未来でも女子は女子
結果から言うと、あたしは優也君のいる居酒屋でバイトが決まった。
あれから数回シフトが入り、そのうちの2回優也君(店では霧島先輩と呼んでる)と一緒だった。 彼はあたしが分からないことや、失敗しそうな時にさりげなくフォローを入れてくれて、お礼を言うとふんわり笑顔で頭をなでてくれるのだ。 気遣えるイケメンとか… はー… マジ尊いわ。
そしてとうとう学校が始まり、あたしのJDライフが始まった。
入学後のオリエンテーションで数人の友人ができて、あたしのキャンパスライフも順調な滑り出しを見せている。
「せーりかぁ~ 金曜は暇~? 遊びに行かない~?」
間延びした少々甘ったるい話し方をするのは、大学で初めてできた友人の1人。 肩甲骨までのストレートロングにこの時代の流行のトサカにした前髪、メイクは太眉に真っ赤な口紅の『The バブル期の女子大生』の美奈子だ。
「バイトは土曜だけど、金曜は大丈夫。」
「それじゃあカラオケかディスコ行こぅ~?」
なんですと?! あの伝説のディスコとやらに連れて行ってもらえるですと?!
「はい!はい! じゃあディスコ! ディスコ行ってみたい、あたし!」
「あ、じゃあ芹香の服、もうちょっとなんとかしたほうがいいかもね?」
これを言ったのは肩までのセミロングをソバージュにした、やはり太眉に濃いピンクの口紅の友人その2、雅美だ。 一方あたしの今の服装… ストレートのロングヘアをポニテにし、白シャツにカーキ色コーデュロイのベスト、チノパンにローファー、メイクはどうしてもこの時代の人達に比べると薄化粧になってしまう… うむ、まあ夜遊びする服装ではない?のか?
「せりかはぁ~ せっかくかわいいんだからぁ、もっとオシャレしないとぉ~!」
「そうそう、喋らなきゃ美少女だよね」
「え~っ 喋っても美少女でしょ?」
「ぶっ、自分で言うなっ!まあ、そうねぇ… じゃあ金曜は少し早めに集合して、服見にいこう。」
うーん… この時代のファッションか… バブリーダンスの○○丘高校そのまんまなんだもん。 原色やショッキングピンクとか、なんつーかこう… 目に優しくないよね? ボディコンも肩パットもちょっと…だし。 前世の記憶が蘇らなかったら、受け入れてたかもしれないが。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます