第10話
◇
結論だけを述べよう。何一つ救われなかった。
平穏であるように思わせて、僕らの世界はいつ何時であっても危機に晒されていた。人知だのなんだのと言っていられない極限にあって、創られた僕らは箱庭の人形の一つ。
そんなものが抱く野望に興味が湧かないことのなど至極当然であったわけだ。幼稚な話である。
けれど神さまの扮する鏡は、最後の最後に穿たれた黒点に、少しだけ興味を抱いたようだ。
そうして僕は、彼らの礎となった。
僕のお話は、それだけのお話です。
世界に終わりがあったからって、ろくなものではありませんね。
僕の鎮魂歌 白野威 鬼灯 @dora_huku46
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