第3話


     ◇


「礎、今日のお夕飯は、あなたが大好きなメニューだよ」

 真っ赤だった太陽が消えると、大空いっぱいに星が瞬いた。流れるような星の向こうで、恋人たちが出会っているのだという。目には見えなくても、信じられる気がしていた。

 願いを叶えてくれるという恋人たちは、ひと時の逢瀬を。地面に足をつけていないと不安な僕らは、ただただ願うだけだ。

 笑顔で答えた僕に、母は笑った。

 空は、星が降るようだった。


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