79 操作の巻き
飛び掛かる韓国兵を二刀流で吹き飛ばしながら
そして窓辺りまで進むと、右手に握った刀で円形に切り抜き、ブリッジに侵入した。
『『『忍チューバー!?』』』
驚く艦長達の言葉は半荘に伝わらない。
「えっと……ゴーホーム、オア、キル。オーケー?」
物騒な事を口走る半荘に、艦長達から拳銃を向けられる。
「オーノー。帰ってくれないか~」
パーン!
半荘が喋っているにも関わらず、拳銃が火を吹く。
だが、そんな銃弾など、半荘の身体能力には敵わない。
ひょいっと避けて、ブリッジに居た者は、あっと言う間に打ち捨てられた。
そして、部屋の片隅で震えて座っている若い男だけを残していた半荘は、近付くとしゃがみ込み、目線を合わせる。
「コ、コロさないで……」
若い男は片言の日本語で話し掛けて来たので、半荘は目を輝かせる。
「日本語、喋れるのか?」
「ちょ、ちょっとだけね」
「やった! じゃあ、船を反転させてくれ!!」
「それしたら、コロさない?」
「コロサナ~イ。でも、しなかったらコロ~す!」
若い男の質問に笑顔で答える半荘は、
「ア、アブない!」
「早く反転させないと、コロすかもしれな~い!」
「わ、わかった」
ノリノリで脅す半荘。
誰ひとり殺していないのに、若い男が勘違いしているのならば、これ幸いと脅しているようだ。
ネットの中でも、「悪いヤツだな」と笑われていた。
若い男は操縦装置の前に立つと、いろいろ操作し、まずは急ブレーキ。
慣性が働き、若い男は腹を操縦装置に打ち付けていたが、半荘はぴくりとも動かない。
だが、艦内では、進行方向に転げる韓国兵が続出。
半荘を追っていた韓国兵も、体を打ち付けられる事となった。
次に左旋回。
ブレーキを掛けたと言っても、スクリューを逆回転にしたので、スピードが落ちただけ。
曲がるには少し速かったのか、船体は大きく揺れて、またしても体を打ち付けられる韓国兵が続出。
半荘も、落ち着いて操縦しろと言っていた。
そうして船首が韓国本土の方角に向き、全速前進を始めると、半荘は拍手をしながら若い男に話し掛ける。
「お疲れさ~ん」
「ヨウキュウどおりやった。これでコロさない」
「オーケー、オーケー」
笑いながら刀を構える半荘に、若い男は顔を青くする。
「ヤメて! シニたくない!!」
「オーケー。グッナ~イ」
慌てる若い男は、半荘の峰打ちにて眠りに就くのであった。
「そんなに怖がらなくても……殺さないとは言ったけど、眠らせないとは言ってないだろ」
半荘の愚痴がVチューブに乗ると、笑い声や若い男を憐れむ声が書き込まれるが、そんなに悠長にやっている時間は無い。
転がっている韓国兵のボタンを引きちぎった半荘は、ブリッジの扉に近付き、開けると同時に飛び出した。
『『『ぐわっ!』』』
ブリッジの外には、少なからず韓国兵が集まっていたので、半荘はボタンを指で弾いて顔にぶつけた。
これだけでは一瞬しか動きを止められない。
だが、一瞬だけ動きを止めればそれでいい。
半荘は二刀流で、集まって来た韓国兵を薙ぎ倒す。
「さてと~……あとは……」
それだけ呟いた半荘は、ブリッジの扉に近付き、ドアノブを握って横に引きちぎってしまう。
そして、タッチパネルもクナイを走らせて破壊。
これだけなら、力業で開けられる可能性もあるので、寝ている韓国兵からナイフを拝借して、扉の下部を貫通させて床に突き刺す。
もちろん抜かれないように、ナイフの柄も引きちぎった。
扉は開放不可能。
爆弾を使えば破壊できるだろうが、時間稼ぎにはなるだろう。
「これでよし。そんじゃ、もう少し掃除をして戻りま~す」
その後も、艦内の目に写る韓国兵は、忍チューバー無双で吹き飛ばされ、世界中の視聴者は沸き上がるのであった。
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