07 ニュース


 忍チューバーが出港して三日後、日本では騒ぎが起きていた。


「さて、次のニュースです。忍チューバーこと服部半荘はんちゃんさんが乗る、クルーザーとの連絡が途絶えたとと一報が入りました。服部さんは……」


 テレビのニュースでは、一日中、忍チューバーの遭難事故の心配がされていた。


 事の発端は、ファンが次の港で待っていたが、忍チューバーが現れる事は無く、その次の港でも姿を確認できなかった事から始まった。


 毎日、動画を更新すると聞いていたが更新は無く、ファンが心配していたのだが、ネットでは……


「沈没したんじゃね?(笑)」


「本当は出港してないかもな(笑)」


「どこかで女を抱いてるだけだろ~(笑)」


「コミュ症だから、裏をかいてるかも?(笑)」


 大多数は軽くみて、話題のひとつとして笑っていた。



 しかし忍チューバ―が出港して二日後には、日本海側の全ての港を調査したファンが……


「ちょっと、どこの港にも停泊してないんだけど……」


「全部調べたの? 暇だな~(笑)」


「俺の近所の港でも、停泊した形跡がない」


「うちも漁師に聞いてみたけど、そんな船は見た事ないって……」


「速報! 島根県沖に向かったと、漁師が見たって!」


 笑っていたファンも心配する声に変わり、海上保安庁に質問が集中する。

 そこで、念のため忍チューバーに連絡した海保は、生存の有無が確認できないと発表。

 ニュースの第一報が入ったのが、出港して三日後であった。



「え~……服部半荘さん。心配ですね。明日からは、空からの捜索を開始する予定……いえ。たったいま入った情報ですと、明日は日本海沖は大荒れとなり、捜索できないとのことです。捜索は……」


 残念ながら台風が日本海沖を縦断し、捜索見送りとなって、ネットではますます心配する声があがっていた。


「これ、ヤバくない?」


「もう、忍チューバー見れないの?」


「に、忍者なんだから大丈夫だ!」


「きっと帰って来てくれる!」


「「「「「忍チューバー! 頑張れ~~~!!」」」」」


 その日、ネットの住人だけでなく、日本中、世界中から励ましの声があがった事は、忍チューバーは知るよしもなかった。



 その二日後の夜のニュース……


「忍チューバーこと服部半荘さんのニュースですが……本日は台風一過ともあり、晴天だったのですが、発見ならずと……引き続き、捜索を続けるとのことです……」


 暗いニュースに日本中の人々はため息を吐き、世界中の人々からも、忍チューバーを心配する声があふれるのであった。

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