時々私が引き合いに出す作品に、『恐竜大紀行(岸大武郎、集英社、敬称略)』がある。
その終盤で、恐竜はいかにして生まれたかが描かれていた。
かつて恐竜の祖先は両生類の一種であり、生存競争に敗れて快適な水辺を追われた。しかし、不毛で乾燥した内陸地帯を生き延びる内に頑丈な皮膚や強力な筋肉を手に入れ、両生類など全く足元にも及ばぬ力を手に入れたそうだ。
かえりみるに、本作の主人公は森の生存競争において圧倒的に不利な立場にあった。しかし、その不利が全く予想もつかなかった『進化』をもたらした。
これはもはや、まさに文化(本作については、文明とは少し違うだろう)の始祖と称するに相応しい。
詳細本作。