第7話 伝承
おじいさんと俺は山を降り、家に着いた。
家の空気は、
重かった。
『桃太郎、3歳のお前に言っていいものか、言ったところで覚えていられるか疑問だが話しておく』
悪いが、体は3歳でも中身は大人だから大丈夫さ
とはおじいさんには言えないのが苦労するところ
『おじいさん、大丈夫だよ。ちゃんと覚えていられるよ』
『おばあさん、
『いいんだね、おじいさん?持ってくるよ』
モモタロウ・スクロール……一体、そこに何が書かれているんだ?
『悪いな、おばあさん』
おじいさんは、モモタロウ・スクロールを手に取り
『モモタロウ・スクロール、
おじいさんは巻物に横に指をなぞった。
端末モニターが現れ
モモタロウ・スクロールをオープンさせますか?
と表示された。
おじいさんは迷わず、モニターの【はい】のカーソルを選択した。
モニター上には
【モモタロウ・スクロールのオープンが
【申請者は、スクロール記述の詠唱を行ってください】
おじいさんは、巻物に書いてある文章を読んでいった。
『鬼の力が、強まる
元の世界に戻る?鬼を倒したら?本当なのか
【詠唱完了、次に桃太郎になるものを指定してください。】
『桃太郎、モニターの色彩チェックをしてくれ』
色彩チェック?目のことか?
桃太郎はモニターの色彩チェック画面に目線を合わせた。
【色彩チェック及び登録完了】
【次に、
き、きびだんごボール!?なんて、センスのないネーミング……
ボール?宝玉?が3つ出てきた。
【黄色……ウルフ族用宝玉(犬)】
【緑色……エルフ族用宝玉(きじ)】
【赤色……オーガ族用宝玉(さる)】
やっぱり、まるであのお伽噺みたいだ。
【注意点 共和の宝玉は登録した桃太郎のみが使用可能です。宝玉使用時は、相手の種族が桃太郎を認めた場合のみ可能です。】
【以上、伝承システムを終了します。モモタロウ・スクロールはこれよりロックがかかります。】
カチャカチャ
【ロックされました】
『ふぅ、何とか終わったのう』
『おじいさん、俺はこれからどうすればいいの?』
『桃太郎、お前はまだ小さい!これからは、修行して強くなるのだ。』
『わかったよ、おじいさんおばあさん!俺は強くなって、鬼を倒す!』
次回『元・桃太郎』
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