第6話 この世界の仕組み
すごい勢いでおじいさんから投げ出され、草むらまで飛ばされた。
一体何が?おじいさんの様子が尋常じゃない。
それに、あの物陰から音が……オオカミか熊か?
『ヒューマンの臭いGAスルゾ、こコか?』
声?後ろから?誰だ?
振り返った瞬間
『わぁぁぁぁぁ、なんだお前ら!!』
ば、化け物だ。嘘だろ
『大丈夫か、桃太郎!』
『お、お、おじいさ……ん、たすけて……!』
『タイプ アロー、月下の弓!』
『レベル4スキル、レイアロー』
化け物達は、頭を撃ち抜かれ消えた。
『ハァ、ハァ……お、おじいさん……あの化け物は!?』
『あれは、ゴブリンじゃ。日が暮れてしまったから出てきたのだろう。』
『日が暮れると奴らが出てくるのか?』
さっきまで、静かな山だったのに……
『日が暮れると鬼の力が強まるからの……』
お、鬼!?
聞き間違いじゃないよな。
『鬼は夜になると力が増す!ゴブリンのような化け物を操っている王だ。』
なんだろう、この世界を知っている気がする。
鬼が存在する世界
桃太郎である俺の存在
おじいさんとおばあさん
この世界の名はMOMOTARO WORLD
偶然だろうか?
どう考えても、あの物語しか思い浮かばない
『この世界について詳しく教えてやりたいが、いまは急いで、山を降りようかの』
この世界の事を確かに知りたい!俺がこの世界に呼ばれた理由と成すべき事を……
ただ、今は生き延びる事を先決させよう
おじいさんの様子を見る限り、俺がいる事によって全力で戦えないのだろう。
所詮は、足手まといでしかないのだ。悔しい話ではあるが…
中身は22歳、体はまだ3歳児だ。
どう考えても、太刀打ち出来る訳がない。
おじいさんに手を繋がれ、山を必死に降りていく。
すると、景色が黒い霧のようなものが発生し、おじいさんは足を止めた。
『まずいの、これは』
目の前に、また魔物が現れた。
『誰じゃ!?普通の魔物では無いな!』
現れた魔物は
顔は人間っぽいが角が生えて、爪は恐ろしく長く、羽は天使のようである。
一瞬、思い浮かぶのは悪魔のような存在。
『随分な言い方ですね。他の魔物と一緒にされるなんて、私はこう見えても奴らよりも高貴な存在ですよ、おじいさん!いや、こう呼んだ方がいいかな』
『元桃太郎』
えっ!いまなんと?元桃太郎?おじいさんが?
『なぜ、その事を!お前何者だ!』
『私の名は、メフィストフェレス!鬼である##&@§☆†※様に仕えるものだ。』
鬼の名前が聞き取れなかった、この世の言葉では無いのか?
しかし、まさかのおじいさんも桃太郎だったなんて…
『鬼は、そこまで知っていたのか!?』
『お前らのような、下級種族があのお方をバカにしているのか!あの方はいずれ、この世界で神となる存在になられる。全てを見透しているわ!』
鬼が神になる?じゃあ、この世界の
そんな事は、許しちゃダメだろ。
桃太郎は、メフィストフェレスを睨みを効かせた。
『なんだ!?そこで我を睨んでいる小僧が本物の桃太郎と言うわけか!面白い、まずは報告せねば。ついにお前らが言う伝承が始まったというわけか!』
俺が本物の桃太郎?伝承?なにが何だか……
話の展開が早すぎて付いていけない。
『待ったんか!メフィストフェレス!』
『なんだ?お前らを逃がしてやるって言うのに、死にたくなったか?その小僧を育てて本物の桃太郎とやらの力を見せてみろ!お前らが信じている伝承とやらを実行してみるがいい。』
『所詮は無駄だろうがな、ハッハッハー』
メフィストフェレスは、黒い霧と共に消え去った。
次回『伝承』
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