第5話 桃太郎が見た世界

ー芝刈りの山ー

『着いたぞ、大丈夫か桃太郎?ヘトヘトしているな』

そう俺はヘトヘトだ!まさか、こんなに山を上るとは…このおじいさんは化け物か?2時間は歩きっぱなしだったぞ!

『だ、大丈夫だよ。全然平気だよ』

『それじゃあ適当に、薪を切るかの』

そういえば、なたとか斧みたいなものを持ってきてないがどうするんだ!?疑うようにおじいさんを見つめていた。

『さて、どれにするかのう』

おじいさんは、木に向かってアルファベットのMをなぞった。

端末のような画面が現れた。


種類オブジェクト タイプ生命体ライフソウル


品名:かし


ソウル:あり


耐久性:12,500


弱点攻撃ウィークエス ポイント:斬撃


『これが良さそうじゃ』

おじいさんによると木にも色々と種類があるが樫が一番、火持ちがいいそうだ。山には松、クヌギナラケヤキ、杉など

色々試した結果、樫になったそうだ。

たまに売り物として杉や松を切って、街へ売り出すそうだ。

おじいさんは懐から木の棒みたいなものを取り出し、呼び掛けを始めた。

『タイプ アックス!』

が、輝き始めて形が変化していく。

『!?』

なんだあれは?木の棒が斧に変形していく!あの木の棒は一体…

『アイアンアックス!』

光っている斧のようなものがアイアンアックスへ変化していく。

『す、すごい!おじいさん、それは?』

変形するだけでも、驚いたが更に武器の種類まで変化するなんて。おじいさんは、何者だ?

『これか?まだ桃太郎には見せてなかったか?この世界では、当たり前の能力じゃ。あとで、桃太郎にも教えないといけないと思っていたからの』

この世界では、誰でも使えるのか?やっぱり、この世界はおかしい…まるでゲームの世界だ。


『もしかして、おばあさんも使えるの?』

『使えるが、武器は精製出来ない。おばあさんは魔法専属だからの』

いま、なんて!?魔法だって?おいおい、どこまでイカれた世界だ。おばあさんのそんなの姿見てなかった。

『まぁ、ともかく日が暮れると奴らが来てしまう前に薪を切ろうかの』

奴ら?こんな世界だから魔物でも出るのか?こんな能力見せられちゃ、改めて驚かない。


『レベル3スキル 一刀両断、スマッシュ!』

物凄い音が響き渡る。

おじいさんの声かけと同時に、木を斬り倒した。


すかさず、俺はMシステムを立ち上げ斬り倒した木を確認した。


種類オブジェクト タイプ素材マテリアル


品名:樫の大木


ソウル:なし


耐久性:500


弱点攻撃ウィークエス ポイント:斬撃、火属性


斬り倒した木は色々と変化していた。


生命体が素材になっている。木が死んだって事か。ソウル?魂の事かもしれない。

『桃太郎ちょっと、どいてくれるかい?いま細かく切るから。』

『レベル2スキル 5連撃 アックスレイン!』

おじいさんは、大木だった木々が薪サイズに切られいく。


『すごい!おじいさんがすごいのか?それとも、この世界の当たり前の事なのか…』

『桃太郎にも、出来るようになるから安心せい』


そんな会話をしていた時に、物陰から音がした。

ガサガサ

『まずい、日が暮れてしまったか。桃太郎隠れていろ!』

『えっ!?なにがいる?』


次回 『この世界の仕組み』






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