第4話 桃太郎として生きる

衝撃?落胆?絶望?の転生から今日で3年が経った。

3年経ったという事は、いまの俺の体は3歳になる。

転生された桃太郎たる体は、すくすくと育ち…

桃から生まれて3ヵ月で立ち上がり、1歳には喋れるようになっていた。

というか、やっとまともに体が動かせる。


1歳になるまで、赤ん坊として振る舞うのは本当に疲れる。喋れるようになってからは、素直な子供を演じている。

とはいえ、おじいさんとおばあさんには感謝の言葉しかない、本当の子供のように育ててくれる。

俺も前世では、愛情を受けて育ったんだよなぁとか考える事もあったり、今の状況を悲観してみたりと…複雑だ。


それと少しずつだが、この世界の事もわかってきた。

この世界の名前は「MOMOTARO WORLD」と呼ばれいるらしい

MOMOTARO?桃太郎?なんて、微妙なネーミング…

はじめから、俺がくる事がわかっていたのか?

あとは、おじいさん、おばあさんが使用している端末がMシステムと呼ばれ、この世界では皆が使用している。

Mシステムは、その人の能力やステータスが確認できる。表示の仕方は、何もない状態の空中でアルファベットの「M」を指でなぞると出てくる。

この世界では人間の事をヒューマンと呼び、ヒューマン以外の種族がこの世界では存在しており、各地域で生活しているらしい。


「ウルフ」

上半身は犬のような姿で、下半身は人間ヒューマン

動きは素早く、考えるよりも体が先に動くようなヤンチャな性格

興奮すると狼のように吠える。

人間ヒューマンよりも寿命は短命で20歳ぐらいしか生きられない。

住んでいる地域は、ハウンドランド


「オーガ」

体は、人間ヒューマンとは違い身長は2m~3mとあり力も凄く強い。

ただ、性格は慎重で臆病らしい。

住んでいる地域はオーガニスタ

寿命は、人間ヒューマンとそれほど変わらない。


「エルフ」

耳が長く鋭い、皆さんが知っているようなエルフである。寿命は3000年とも言われており、その長寿の影響かは分からないが常に、上から目線で喋ってくるものが多い。

人間ヒューマンより頭が良く、魔法に長けている。

住んでいる地域は、長寿の森


昔は種族間で争いもあったようだ、現状は普通な交流があるらしい。種族とか、ゲームような世界だな。

未だに夢を見ているのでは?とか死後の世界なのか?などなど不思議な感覚ではある。


そんな3歳を迎えた今日…

『桃太郎や、明日は一緒に芝刈りでも行くかい?ちょうど、囲炉裏用の薪も少なくなってきたし』

『うん!行く。』

『おばあさん、明日は桃太郎と山へ行くからおにぎりは桃太郎の分も頼む。』

おばあさんは、嬉しそうに頷いた。

〈やっと、外の世界が見られる!一体どんな世界なんだMOMOTARO WORLDは…〉

桃太郎は、早く外の世界が知りたくてウズウズしていた。


次回『桃太郎が見た世界』






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