第3話 桃からは生まれた人
ー真っ白な空間ー
あれ?目の前が真っ白だ。
そうだ、あの腐りかけの果物食べたせいか…やっぱり残り物には福はないか。
俺の人生も、これで終わりか……
もうちょっと頑張りたかった。
もう、眠ろう。
MOMOTARO WORLD インストール
0%…………………………100%
完了
人体再形成実行……成功
0歳へ変換…………成功
記憶媒体の引き継ぎ実施………成功
種族選択 ヒューマン……成功
所持金検索…100……通貨単位ピーチ…100ピーチ獲得
転送座標確認……失敗
ノイズ発生により、座標に誤差発生の可能性大
転送しますか?……YES
転送準備……10分前
転送します…
ーーーーーー
その頃、おばあさんはというと
ーとある川ー
『さてと……』
『うん!?』
『なんだい?あの大きな桃は!?』
なんと川から大きな桃が流れてくるではありませんか
大きさは両手を広げても、足りないくらいの桃
これは持って帰るしかないと、おばあさんは意気込んで転送用アイテムを取り出した。
『転送巻物…自宅!』
ー自宅ー
あっという間に、自宅へ移動したおばあさん
『おっ?どうしたんじゃ転送巻物なんて使って還ってきたのか?』
いいタイミングでおじいさんも到着した。
『おじいさん、見ておくれよ。この大きな桃!!!!』
おじいさんは、驚きのあまりに咳き込んでしまった。
『な、ゴホ、んじゃそ…れは!ゴホゴホッ』
『川から流れて来たんだよ。さっそく切って食べようかね』
おじいさんは、端末のようなものを表示させ
『耐久性は80じゃな、タイプ ソード』
木の棒を剣に姿を変え、輝き始めた
『アイアンソード!』
『レベル1スキル スラッシュソード』
桃は見事に二つに割れた。すると……
オギャーオギャー
『何か聞こえるの~』
『本当だわ、どこから?うん?桃?』
なんと赤ん坊が桃の中にいるではありませんか!
〈なんだ?ここは!?俺は死んだはずじゃ?それに声がちゃんと喋れない?まるで赤ん坊みたいな〉
オギャー
〈違う!本当に赤ん坊じゃないか!〉
〈ど う な っ て るんだぁぁ!!!!!!!〉
まさかの青レスは、転生されたのは桃の中に…
運命のいたずらか、それともシステム不具合なのか
しかも赤ん坊の姿で、喋れないとは…転生されてもツイテナイ男である。記憶も消してくれれば、まだ良かったものを…
どちらにせよ、この男の人生は再スタートした。
『神様が届けてくれたのかの~』
『おじいさん、さっそく名前を付けてあげないと』
『そうじゃな、うーん、桃から生まれたから…』
『桃太郎…』
『おじいさん、桃太郎なんてどうですか?』
『桃太郎!そうじゃな、桃から生まれた桃太郎じゃ』
〈桃から生まれたって!?おれが?桃太郎!?嘘だろ!これは夢だ。きっと死んだから、ずっと夢見てるんだ…〉
バブバブ
『おじいさん、桃太郎喜んでるよ。名前気に入ったみたいよ』
〈全然、気に入っってなーーーい!〉
〈うん?なんか…なま暖かいものが〉
『おじいさん、桃太郎がおしっこしちゃったよ。』
『元気な子じゃ』
〈この感触は、夢じゃなーーーーーーい!〉
次回『桃太郎として生きる。』
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