4-6 おかえりなさい、お姉さま
暗い雲の下。物々しい雰囲気を漂わせている我が家を前に、私は一人佇んでいた。
白い外装が特徴的なその邸宅の窓から洩れる煌々とした灯り。そして、その中で時折動く有象無象の小さな人影。ソレを見定め、間違いなく彼女たちが此処に居るのだと判断した私は、ゆっくりと自身の口角を上げた。
そして、大切な【妹】たちが待つ我が家の敷地へと足を踏み入れる。
嗚呼、嗚呼。
見殺しにされ続けた【妹】たちに、報いるために。
たくさんの歪な【妹】たちを、今度こそ守りきるために。
私は我が家の扉を――叩いた。
「「「「「おかえりなさい、お姉さま」」」」」
――貴女と一つになるためならば。わたしはどんな愚行も犯すでしょう。
了
贋造の箱庭で 威剣朔也 @iturugi398
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