詩集 晴れたらいいな

読書

　初夏の朝、庭園のカフェで。

　極上の茶葉を贅沢に使った

　紅茶が運ばれる。

　焼き立てのスコーンに

　摘みたていちごの甘いジャム。

　スクランブルエッグに

　採れたて野菜の、ビネガーソースをかけたシンプルなサラダ。

　ゆっくりと朝食を堪能したあと、

　じっくりと

　静かに

　訪れる読書タイム。

　ざらりとした

　装飾の施された表紙の手触りを

　感じながら

　ページをめくる。

　わくわく

　ハラハラ

　どきどき。

　そこにはまだ知らない

　見たこともない

　景色

　感情

　恋愛

　冒険

　戦い

　火花散る心理戦

　歴史……

　広がるよ

　まだ見ぬ

　誰かの紡ぐ世界

　言葉

　美しい文章のならび。

　空想に耽（ふけ）る。

　お話に浸（ひた）る。

　読書する

　ゆったりとした

　時の流れ。

　の、はずなのに、

　気づけば

　もう、……お昼だね。