第4話 猫眠る心配するは人ばかり

 朝、キジトラ猫が待っているはずなのに——、いない。どこへ行ったんだろう? 

 

 昼前にも行ってみたが——、またいない。キジトラ猫に何かあったのか?


 昼休み、猫友もキジトラ猫を探していた。「猫ちゃん、や〜い!」ふたりで辺りを探してみたが、見つからない。


 また後で探そうと帰りかけた時、キジトラ猫がとっとことっとこ駆けて来た。


「いた。良かった。どこに行ってたの? 心配したよ」


 猫はいつものように、毛繕いをしてごろんと横になった。


「ところでみゃんこ、午前中はどちらへ……?」


 猫眠る心配するは人ばかり……。

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