第7話 猫といっしょに寒さに耐える

 風の日は思ったより体感温度が低い。「寒っ!」


 体中に毛が生えているとはいえこんな日は、猫も寒く感じるに違いない。


 私がベンチに近づくと、キジトラ猫が「ミャ〜オン」と鳴いて、茂みの中から出て来た。


 私が「猫ちゃん、寒いね」となでなでしていると、キジトラ猫が私の膝に乗ってきて丸くなった。


 私も物好きだ。こんな寒い日に、わざわざ猫に会いに行くなんて——。


 一体何がそうさせるのか? 猫が好きだから——、会いに行かずにはいられない。


 ベンチに座って風に吹かれる人間と、人間の膝の上で丸くなる猫……。


 しばらくの間、猫といっしょに寒さに耐えた。

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