第7話 双子

「かわいい女の子を殺すことってあんまないから興奮してきたーーー☆」


アンドロマリウスからすごい風圧を受け、楓子と私は教会の外れの森の方まで飛ばされた。


「楓子、私のスピードで撹乱させるから、隙を見ておっきいの一発お願いできる?」

「お姉ちゃん了解!あんまり無理しないでよ!」


「任せてといてーー 身体強化 脚」

ケルベロスの鎧で上がった身体能力に更に上塗りして、スピードをあげる!


フッという掛け声とと共に桜子が駆け出す。

常人の目では追いきれないスピードで。


「かわいいこちゃんっ、そっくりだけど双子なんだー?片っぽが死んじゃったらもう片っぽどんな顔するのかなー!僕ちゃんゾクゾクしてきたっっ!!!!」


アンドロマリウスはそういいながら正拳突きの構えをする。


「っっっ当たらなければー意味はないよ!!!!!」


「ハハっ!!最初から当てるつもりなんてないよーーーん☆」


ぶんっと大気を震わせる正拳突きをひとつ、その風圧で桜子はその場から吹き飛んだ。

森に生えている沢山の木々を吹き飛ばし桜子の勢いは止まる。


「お姉ちゃん!大丈夫?!?!?」

「なんて攻撃、あれじゃあ近寄れないよ」


「まだまーだ、ほらほらもっとおいでー!」



繰り返し、近づいては吹き飛ばされそれでも有効打が見つからない。

けれど私たちは時間が稼げればそれでいい。

待っていれば、あの人が助けに来てくれる。


「あーそろそろ僕ちゃん飽きてきちゃったなーーー!もう終わりにする?」


「くっ、まだまだ!!!」

桜子が横に駆け出すが


「無駄だってばーーー、ふんっ」



的確に広範囲で風圧を押し付けるだけの作業。

相手はその場から一歩も動いていない。



「お姉ちゃん、傷だらけ、もうみてられないよぉ。私もやるわ!」

「そうね、もうすぐあっちも終わるだろうし、こっちも相手にちょっとでもダメージくらわせときますか!」


双子が決意する、



「「我は求めん 双生の秘術 星に名を刻む

いく星霜を繰り返しても 星の名の元に」」


「「双生一極化」」


桜子の体と楓子の身体がぶれ始める


「おおおーーー双子にしか使えない、秘術!僕も1度だけ見たことあるよーーーう!まさかまさか、それで勝てるつ・も・り??」


ぶれた身体が完全に重なり、1人の人間を形成する。


「その余裕、いつまで続くかしら?」


ふっと身体が浮くとアンドロマリウスの後ろに現れた。


「巨人の腕」


土属性で形成された左腕を振り抜くと、そこでアンドロマリウスは気付く


ドンッッッッという音ともにアンドロマリウスが吹き飛ばされ、周りの木々をなぎ倒す。


「てへっ早すぎでしょ、流石にあれはこの状態じゃ止められないなぁーー疲れるから嫌なんだよねあれっ!でもいくよーーーーお仕置きは嫌だからね☆」

「へーんーしーんっっっ!!!」



「”暗黒化カオスモード”」



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