牟田彰一 なんてことない夕暮れ(メロンブックス様SS)のあとがき

 牟田彰一。

 高校二年生。

 男子。

 交友関係は広く、警察にも知り合いがいる。

 不良から微更生中。小心者。


 牟田。

 彼は投稿時には影も形もなかったキャラクターです。

 そもそも、どっから湧いて出たんだろう君?

 あんまりな言い方ですね。

 実は、投稿時の原稿から「異能」になるまでにはかなり多くの改稿を行っていまして、牟田が出てきたのはその中でも結構後の方になります。

 こういった役割のキャラがいたら面白いかもしれない。

 そう考えて、さらっと書いたのですが、いつの間にかちゃんと自分のポジションを確保していました。

 元々は直接描写すらない予定だったことを考えると大出世ですね。

(本作での出世が幸福なこととは言いません)

 元不良で素行もいいとは言い難い彼ですがそこまで悪いやつでもないと思うんですよ。

(万引きは立派な犯罪です)

 作中で彼がした行動は役割とか抜きに、とても理解できるもので、というかたぶん私は彼と似たような行動を取る側の人間なのですよ。

 まぁ、ホラー映画とかなら真っ先に死ぬタイプなんでしょうけど。

 だって、怖いじゃないですか。


 特典SS「なんてことない夕暮れ」は牟田が中学三年生の頃の話。

 牟田という人間がなにを考えて生きてきたのかを私自身が今一度考えるきっかけになった話ですね。

 彼はやっぱりバカではないのですよ。

 ただ、まぁ、ちょっと詰めが甘いだけで。

 本作の中でも特に人間くさいキャラクターなのかもしれません。そういう彼は割と好きですね。

 おっさんとの関係性も好みですね。 

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