第13話ドラゴン娘クエスト2発売
なんとか発売日通りに発売できた。トリヤマ先生やスギヤマ先生にほかの大勢のスタッフがシコれるエロゲ作りのためなら徹夜もなんのそのな人種で本当に良かった。
もちろんタイトなスケジュールで崖っぷちのつなわたりだった。俺はレベルは99が上限だと思っていたのに、プログラムでは50が上限だったんだからな。おかげで終盤のダンジョンの難易度が鬼畜になってしまった。
まあ、即死呪文4連発な敵のモンスター娘の集団が出てきたり、たたかうを選択してターンが始まったと思ったら画面が真っ赤になって『あ、自己犠牲呪文。全滅』なんてのが当たり前にある終盤だからレベルもクソもないかもしれないんだが……
最近のゲームは簡単にはクリアさせないのがトレンドだし。しばらくしたら俺が担当するゲーム記事で『隠しパスワード! これで主人公のレベルが47でスタートだ! ぺぺぺ』なんて救済もするからいいだろう。
なにより、『ドラゴン娘クエスト2』も『ドラゴン娘クエスト』以上に売れた。この世の中売れたものが正義なんだ。『ドラゴン娘クエスト』で俺のゲームデザインが評価されたから次回作の『ドラゴン娘クエスト2』が売れたんだ。
くくく。今回で船での海旅なんてことも日本のプレイヤーに楽しませてしまったぞ。紋章探しと言った順不同にこなしていくイベントも体験させてしまった。そんな『ドラゴン娘クエスト2』をいままさにプレイしながらナニを握りしめているプレイヤーがたくさんいるのだ。
どうだ、みなのしゅう。完全回復呪文を使うラスボスには絶望したか? 味方パーティーがそんなラスボスに全滅されたのにやり直したら、しれっと復活しているラストダンジョンの中ボスにまた自己犠牲呪文を使われて全滅したか? 下半身丸出しでプレイして風邪をひかないようにな。
しかし、そんな苦難を乗り越えてのエンディングのエロ画像は実用的だからな。なにせ、今回はエンディングで今まで訪れた場所をプレイヤー自身の操作で行ったり来たりしてからスタート地点に戻って『ジ・エンド』なんてシステムだからな。
邪神を倒した主人公一行が、今まで訪れた街を再度訪問して乱行パーティーにいそしむんだ。当然トリヤマ先生が何枚もエロイラストを書き下ろしてくれたぞ。スギヤマ先生のゲームミュージックもオナニーの気持ちよさを何倍にもしてくれる。
これで日本のゲーマーにパーティープレイという概念を理解させることができた。そして次回作でいよいよ職業選択にパーティー編成と言うRPG最大のお楽しみを取り入れられるんだ。
ひっひっひ。日本のゲーマーよ。次はこんなパーティーで冒険しようかな。どのタイミングで誰を転職させようかな。なんて考えるのはとっても楽しいぞ。
攻撃力特化でいきたいから『勇者戦士武闘家魔法使い』でいこうかな。でもそれだと回復が間に合わなくなるかも。資金繰りに苦労する序盤だけ商人を入れてポイしちゃおうかな。『遊び人』かあ。戦闘では役に立たないんだよなあ。
なんて妄想するがいい。遊び人はサトリの書なしでも賢者になれるんだぞ。なに、『遊び人はMPが上がらないから賢者になってもそう強くはない』だと。貴様にはすいもあまいもかみ分けた風俗嬢が一番の人生経験の持ち主だと言うことが理解できないのか。
全職業に男女の区別もつけるぞ。これで妄想が捗ると言うものだ。そんな職業な中からプレイヤーが選んだパーティーが地上の魔王を倒したそのあと……あああ、『ドラゴン娘クエスト』に『ドラゴン娘クエスト2』をプレイしたゲーマーがこの展開にどう胸をときめかすかと思うとワクワクしてくる。
「ホリーさん、ホリーさん、大変です!」
おお、チュンじゃないか。もう『ドラゴン娘クエスト3』の構想は俺の頭の中でできているぞ。さっそくチュンにプログラムさせてやるからな。今回はシステム的にややこしいことが多いから気合いを入れるんだぞ。
チュンのやつ。なにをそんなにあわてているんだ。『ドラゴン娘クエスト2』の絶好調の売れ行きがそんなにお前の気持ちを高ぶらせるのか。たしかにここまでになるとは俺も想定外だった。
『ドラゴン娘クエスト2』でこれなら、俺の集大成になる『ドラゴン娘クエスト3』ではどんなことになっちゃうんだろうなあ。
「ホリーさん! こんなものが!」
こんなものってどんなものだ? これは……新作のは小売された。ファミコンカセットみたいだな。ふ、おろかな。日本中のゲーマーは俺の『ドラゴン娘クエスト2』に夢中になっているんだ。そんな中で新作ソフトを発売したって売れるもんか。
そんなことをするおバカな会社はなんて社名かな……『スクエーア』か。聞いたこともない会社だ。ファミコンソフトは儲かるからっていろんな業者が参入してるみたいだけどこの『スクエーア』もそのクチだな。どうせすぐ潰れるだろう。
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