第4話ドラゴン娘クエスト・フロントビュー
「それで、どんな戦闘システムにするんですか、ホリーさん。『ポートピアアドベンチャー』のプレイヤーには『モンスター娘にこっぴどくやられるのが快感です』なんて感想を送ってくる人もいますけれど、やっぱりモンスター娘を倒してニャンニャンしたいって意見が大多数ですよ」
「その戦闘システムはフロントビューでいく。勇者の視点でモンスター娘をグラフィック表示するんだ。俺はAVで男優のケツなんてみたくない。だから、俺のゲームでは戦闘ではモンスター娘だけを画面に表示する」
「なるほど。もともとホリーさんが自分のやりたいゲームを作るってのがコンセプトですもんね。ゲームシステムはホリーさんに任せますよ。ですが、容量が増えたって言ってもそんなにグラフィックにはこれませんよ」
「だいじょうぶだ。『ポートピアアドベンチャー』でも8人のモンスター娘が綺麗なグラフィックだったかと言ったらそうでもなかっただろう。それでも、『モンスター娘にやられてうれしい』というファンができたんだ。戦闘画面のモンスター娘もデフォルメをきかせたドット絵でいいんだ。『絵がきれいすぎると抜けない』という名言もあるんだ」
「じゃあ、そのグラフィックデザインはどうするんですか、ホリーさん」
「チュンがやれよ。『ポートピアアドベンチャー』のご褒美エロ画像大評判だったじゃないか。あんな感じのをモンスター娘ごとに作ればいいんだ」
「モンスター娘ごとにと言われましても……僕、モンスター娘方面にはあんまり詳しくなくてですね。というよりも生身の女性全般に詳しくなくて。あのエロ画像も妄想をもとにして描いたんですよ」
「そうなのか? この世界には人間の娘どころか、モンスター娘が対価を支払えば気持ちいいことをしてくれるお店がいくらでもあるのに。チュン、お前そういうお店に行ったことがないのか」
「はい、ありません。人間の娘のお店もモンスター娘のお店も行ったことないです」
「ふうん。べつに金に困ってるわけでもないのに。かといって、性欲はあるんだよな。あのエロ画像を見る限り。ちなみにしろうとの娘とは……」
「あるわけないじゃないですか、ホリーさん。僕をなんだと思ってるんですか」
チュンってしろうと童貞ですらない真性の童貞なのか。この様子を見る限り、女の子とまともに話したこともなさそうだな。そんなチュンがあんなシコれるエロ画像を……いや、そんなチュンだからこそあんなエロ画像が描けるんだな。
「じゃあ、チュン。お前は生身の女の子とお話ししたいか」
「したくありませんよ。三次元の女なんて、僕のことを『気持ち悪いコンピュータオタク』ってののしるに決まってるんですから」
「しかし、社長になるんだから女の子がちやほやするようになるんじゃないかな」
「そんな目に¥マークしか映ってないようなビッチはもっと嫌ですね。女の子はディスプレイに映った二次元の女の子に限りますよ」
「じゃあ、俺がそんな金目当てのヤリマンからお前をガードしてやるよ」
「本当ですか、ホリーさん。正直言って、『ポートピアアドベンチャー』が売れたこと自体は良かったんですけれど……それでクソマンさんが近寄って来たらと思うとゾッとしてたんですよ。でも、ホリーさんがついてくれるなら安心です」
よしよし。チュン、お前があんなエロ画像を描けるのはお前が童貞で妄想力がたくましいからだ。俺みたいに現実の女を知るとそうはいかなくなる。でもそれでいいんだぞ。俺のゲームはお前みたいな童貞をターゲットにしてるんだからな。童貞の妄想を童貞に売って金にするんだ。
「そのかわり、俺がお前にモンスター娘がそういうお店でどんないやらしいことをするのかそれはもう詳しく説明してやるからな。お前はその説明をもとにエロ画像を描くんだ」
「えええ、ホリーさんが僕に猥談をですか?」
「なんだ、いやなのか。お前だって性欲はあるんだろう?」
「ホリーさんが話すんでしたら。実際のお店だと変な病気うつされそうですけれど。ホリーさんの話ならそんな心配もないでしょうし」
「なら決まりだ。チュンちゃん。今夜は寝かさないぜ」
「そういうのはいいです、ホリーさん。ついでに言いますと、僕はそういうケもありませんからね」
安心しろ、チュン。俺もだ。密室で男二人がいやらしい話で盛り上がってるからと言って、別に何も起こらないからな。
「それじゃあ、チュン。どんなモンスター娘がいい? 俺のゲームにはたくさんモンスター娘を出したいから、じゃんじゃんリクエストしていいぞ」
「たくさんモンスター娘を出したいんですか、ホリーさん。なら色だけ変えるコンパチって手法があるんですけれど……ホリーさんにそんな風俗体験はありますかね」
「あるぞ。今から話してやる」
チュンのやつ。俺のモンスター娘風俗通いをなめてんのか。1P2P色違いキャラとの3Pなんて基本中の基本だぞ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます