第5話 火曜日に鬼がでる理由
膝の力が抜けて床にペタッと座りこむ。手触りのいい絨毯だなあ。絨毯に癒されても顔はまだ強張っているけれど。
座りこんだ私を見て役員の方たちは笑い声を引っ込め、おどおどし始めた。
「どうした!?」
「うううっ、がんりき、わらいごえ……」
すると突然扉が開く。
「だから、前から言ってるでしょうが!!!!!貴方がたの笑い声はやばいって!特に火曜日が!!!」
メガネをかけた男子生徒が登場。その生徒の後ろから「すみませんっ、遅くなりました!」とハーフアップに髪を結った女子が顔をだす。
「いくらなんでも、皆さんの憧れだからってテンションブチ上げて接したら、そりゃ怯えるでしょーよ」
真面目そうに見えて実は毒舌だああ。
ふかふかのソファに案内される。佐倉さんに課題の確認をしに来ただけなのに。
「すみません、宮瀬さん。毎週火曜日は生徒会室でお茶会をしているのです。日頃の生徒会の疲れを癒すために。部活もほとんどなく、生徒も早めに帰る火曜日だけはゆっくりできるので、テンションが上がっているんです。」
生徒会ってそんなに仕事が沢山あるのだと改めて知った。
「しかし、この生徒会役員の方たちは、テンションが上がると眼力が鋭くなり、笑い声が先程のようになってしまうのです。火曜日の生徒会室に来た生徒たちには宮瀬さんにしたような対応をしてしまうので、火曜日の生徒会室には鬼がいる、と言われているわけです。あ、お茶会の費用は個人のお金からだしあっているので、生徒会費は使ってませんよ」
目の前には会長&副会長&佐倉さん&始めからいた男子生徒が土下座している。
カオスだ。混沌と書いてカオスだ。以前兄に3年生の古典で習うよ、と言われたカオスだ。まさか使う日が来るとは……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます