第3話 突進&ホールド!?

生徒会室は2階の特別棟にある。隣には進路指導室や、トイレ、ITルームが並んでいる。

B組はパソコンを使う授業がないため、この棟には数えるほどしか来たことがなかった。

「勢いできたものの、本当に鬼がいたらどうしよう……。教室に戻るより、階段上がってすぐのボランティア室に逃げた方がいいのか?」

中学卒業をきっかけに運動と無縁になってしまい、追いかけられたらひとたまりもないな、と自嘲気味に嗤う。

いざという時の逃げる経路を頭に思い浮かべていると、ギィーと音がして横から「あら?あらららら?」と声が聞こえた。



生徒会室の隣にあるトイレから出てきたのは、背の高い女子生徒だった。確かあれは副会長の________。

「ぐええええっ!?」

いきなり突進&ハグをされて頭がパニックになった。そして目の前に広がるのはお花畑……。嗚呼、此処が天国か。

おっと、危なかった。新しい扉を開けるところだったぜ。



おれは人見知り!

すでにキャパオーバー!!

やることは一つ。逃げるのみ!

ガッチリホールドされているが気にしない!!

「やっと会えたあ!あ、役員に用事かな?生徒会室入ろっか。噂に聞いていた通り人見知りなんだね、かわいいわあ。生徒会室の中入ったらちょっとびっくりしちゃうかも。アタシだけ生徒会室に入っている間に、さらわれちゃうわ!でも安心してね、お姉さんが一緒にいてあげるからね」

流れるように一瞬で言い切った。しかもホールドする力強よすぎない?あ、これ逃げるの無理だー。



開かれたドアに吸い込まれる________。(副会長が押してるだけ)

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