入れ替わりの可能性
「ようこそ私の家へ。まあ特に何も無いんだけど。」
家に来て真利ちゃんの部屋に連れてこられた私と香夜は周囲を見ていた。女の子らしい装飾の部屋で特に変わったところが無かった。まああったら面白い買ったのになとかそんな気持ちがあった訳でも無いんだけど。
「で、私の趣味とも言える事に2人を巻き込む形になって来た訳だけど、真利と由理は本当にいいの?」
「私は親友がしたいなら協力するまでだよ。」
「えっと、私はこの状況がよく分からないんだけど…。」
「本当にこの子、わかってないみたいだよ。香夜どうする?」
「じゃあ少し説明するよ…。」
私は香夜から私が何に巻き込まれるのか説明を受けた。私はその内容を聞いてもよく理解できなかった訳だけど。
「えっと…私はそのなんとかっていうのに巻き込まれて私の異能、入れ替わりと真利ちゃんの異能、読心術を使って普通なら体験できない様な事をさせられるって事?」
「させられると言うより、自ら行動する事になる訳だけどね。」
「真利ちゃんはいいの?」
「私はもう経験済みでもある訳だから別にって感じかな?由理ちゃんは自分の体では無いけど香夜の体で経験している訳だから、やる時は私か香夜の体に移ってやればいいだろうし多分相当儲けそうな感じからいいんじゃない?」
「提案した私が言うのも何だけど、もう少し大事にした方がいいよ。」
「確かに提案した本人に言われてもなって感じだね。」
「うぅ…。」
「私はいまいちピンと来てないんだけど、それって楽しいの?」
「楽しいのって言われても由理ちゃんは香夜の身体で体験しているんだからわかるんじゃない?まぁ人によるよね。」
「私はあのあと結構体が重くなったんだよね…。あ、このお金あげるよ。」
香夜は突然お財布をポケットから取り出してお札を渡してきた。その手にあったのは3万円。
「このお金は?」
「私の身体で由理が稼いだ分のお金。おじさんから追加料金2万5000円、先輩から謝罪費として5000円。まああの日先輩とは相談ってだけで特にする予定なかったからね。」
「でも香夜のお金では?」
「確かに私の体で行った行為だけど、心は由理だったからね。私は後に来た体の怠さだけでこのお金を手にするのはちょっと引けてね…。でもおじさんからの追加前のお金4万円はあるから大丈夫。」
このお金本当に貰ってしまっていいのだろうかと私は考えていた。確かに心は私だったけど、元の体に戻った私は痛みを感じてなかった。入れ替わった相手の体でした事は相手の体に負担が来て戻った私には負担がない。ただ心に傷をおうぐらい。だから体に負担をおった香夜自身のお金でいいはず。
「私が貰うなんて出来ないよ…。」
「いいから貰っておいて。私だって使うの気が引けちゃうし。」
「ちょっといいかな?」
突然真利ちゃんが話に入ってきた。
「どうしたの?」
「そのお金は、由理ちゃんのものでいいと私は思うよ。まぁその話はこの辺にして、由理ちゃんに提案なんだけど。」
「何?」
「今日の放課後、私と入れ替わって見てくれない?」
突然真利ちゃんが入れ替わって欲しいと言ってきた。
「なんで?2時間何されるか分からないんだよ。」
「由理ちゃんは何もしないと信じているよ。私の能力、読心術を由理ちゃんももしかしたら使えるようになるんじゃないかと試してみたいの。」
「入れ替わったら真利ちゃんの異能出来るの?」
入れ替わったら相手の異能が使えるというアニメが前あったような気がするけど。
「試してみたいだけだよ。もしこの異能が自分に宿ったのではなく、身体に宿ったとしたら、入れ替わった由理ちゃんも使えるって事でしょう。まあ可能性って話で、どうなのか分からないけど。」
「実験のために自分の体を受け渡すってマッドサイエンティストじゃん。」
「香夜、そもそも私科学者じゃないんだけど。もし使えたら、戻っても使えるか気になるしね。」
「戻っても使えるって?」
「由理ちゃんって戻っても入れ替わっていた時の記憶は残っているんだよね?」
「残っているけど?」
「これも可能性なんだけど、もし異能も記憶として残るとしたら由理ちゃんは新たな異能を得る可能性があるよね。」
真利ちゃんは色々と思いつく人なんだなと私は思った。私はほかにも異能者がいるのではと考えた事がなかったから、考えた事がなかっただけなのかも知れないけど、異能が自分自身、魂ではなく身体に宿っていたとしたら、もし記憶として残るとしたらとか私が思いもしなかった発想が次々と出てきている。
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