第27話

 はくいろの大地がしよこうめいめつしている。

 すい色のうなばらりゆうりようとさざめいている。

 わたしははるかしていた。ゆうすいたるれいこんとなったわたしはきよおくの生命がしようめつしているけんらんたるわくせいかんしていた。じようしようしていった。れいなるえんを終えたかいらいのようにほうはくたる宇宙へといざなわれるわたしはわくせいからかいしていった。わたしはざんした。ほうはいたる悲劇をぼつぱつさせた最大の罪人であるわたしをきよおくの人類はようしやしてくれるだろうかという罪悪感にもうしゆうされた。わたしはけつした。きゆうさいげつにおけるえいごうりよをつづけて完全なるしよくざいをせんとりんの大河にれいこんをゆだねようとした。

 ゆうすいたるわくせいぜんぼうをわたしはかんした。

 わたしはきつきようした。

 めつの盟約であるわたしのゆいごんでんされたきよおくの人類がそうなるしゆうえんげたわたしのためにげんしゆくとうしてくれていた。わたしはさとった。とうりんちゆうにおいて盟約をかわしたこいびとや盟友たちこそは悲劇の二〇世紀においてめつしたきよおくの全人類であったと。わたしはしようそうにかられた。きよおくの全人類とのかいこうを果たしながらきよおくの全人類とふたたびけつべつしなければならない運命をじゆした。激情にもうしゆうされた。めつきずなちかってくれたきよおくの全人類にえいごうけつべつとなるかもしれないわたしはうつぼつたるあいをおぼえた。

 すい色の地球がりようえんとなってゆく。

 わたしはきようがくした。めつのままりんするはずのわたしのれいこんらんしてゆくきがらのようにとうとつほうかいをはじめてしまった。わたしはさとった。ゆうすいたるすい色のわくせいもうろうとしてゆきじやくめつするかのように視界までもがきようさくしはじめたらしい。わたしはほうふつとした。どうもうなるあくけいやくしたものは全人類を愛してはならないと。きよおくの全人類を愛したのならばめつたましいほろんでしまうと。わたしは絶望した。きよおくの人類の歴史をめつさせんとしていたわたしはいつしかきよおくの人類すべてを愛するようになってしまっていたと。

 きゆうの暗黒に視界が支配されてゆく。

 わたしはめいもくした。うつぼつたるしようそう感にもうしゆうされながらもまぶたをとじたわたしはえいごうめつをむかえるまえになすべきことをじゆくりよせんとした。わたしは決意した。ほうはくたる宇宙をほうこうするたましいであるわたしにはえいごうしゆうえんのまえに最愛のものをめることしかできないと。わたしはまぶたをひらいた。きようさくしてゆく視界のなかでわたしはめつきずなちかってくれたきよおくの全人類のすがたを熟視した。わたしはさとった。最大の罪人でさえも全人類は愛してくれたと。わたしたち全人類はあいによって人生という大罪をあがなうのだと。五万年の歴史のなかでこれほど美しい犯罪があっただろうかと。

 五百万年の大罪の判決は愛であった。

 きよおくしようがいの最終章をわたしは読み終えたようだ。

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