第20話

 すい色のおおうなばらひようびようとひろがっている。

 きよおくさざなみが満天のぼしのようにめいめつしている。

 わたしは『運命』へとりんしたようだ。びようまんたるそうかいにおいてかつてそうぐうしたけんらんたるごくさいしきくじらとなって世界をへんれきしているらしい。きゆうの時空を自由にちようえつできるわたしはれいてんするばんきようのように人類の歴史をはるかしていった。文明がかいびやくをむかえたようだ。あんたんたる氷河期をちようこくした大地にはうつそうたる森林のようなばんこくゆうしようりつしていった。ほうはいたるおうによって至高者をするようになった人類はめつの神による天地の創造からしゆうえんの救済までをにんしきしていった。悲劇がぼつぱつしていった。めつの神をぼうとくしたとしてすいの救世主はたつけいに処されたんしやえんざいじよたちがそうめつされていった。めつの神はちんもくされた。神聖なる至高者をするからこその人類の悲劇をめつの神そのものはちんもくしながらかんされつづけていた。

 ほうじようなるうなばらきよおくの生命をしようめつさせている。

 わたしはほうこうをつづけた。けんらんたる流星群のように遊泳している魚群とともにしつこくの宇宙のようなおおうなばらにおけるりよをつづけていった。めつの神のにんしきらんしようとして神秘的なる預言者のしつぴつした罪とばつの歴史を熟知せんとした。人類は危機にひんした。ほうはいたるふたつの世界大戦のぼつぱつによってきよおくの全人類はの悲劇とたいすることとなった。れいみんが無情にもせんめつされてゆくなかでちんもくをつづけるめつの神はすでにすいの遺産となるはずだった。こうまいなる人類はいのりつづけた。めつの神々でさえ救済しえない世界においてめつしかかっているしんこうぜつめつをむかえなかった。めつの神はほろびなかった。たる科学がらんじゆくをむかえながらもめつの神による救済をきゆうめるものはかいとはならなかった。

 きゆうようらんのようなそうかいにわたしはほうようされていた。

 わたしはもつこうしていた。めつの神でさえもきよまんの罪をおかさざるをえなかったのだと。ばんこくの人類とおなじようにぜんと存在することだけで罪人たらざるをえなかったのだと。わたしはほんにいたった。めつの神によってきよまんの悲劇がぼつぱつしながらもめつの神によってきよおくの絶望がされてきたのだと。きよまんの罪をおかさざるをえなかった至高者はきよおくの救済によってすべての悲劇を終わらせてきたのだと。わたしはざんした。きよまんの罪をわたしはしようめつさせんとしていたのではないかと。きよおくの救済によってしよくざいせんとはしていなかったのではないかと。わたしはきゆうじようしようした。きゆうの時空をちようえつするためにさんらんたるにじのように真夜中のおおうなばらからへんぽんしようした。

 せんかんたる大河のようにきよおくの歴史がはんらんした。

 わたしは時空をちようえつした。けんらんたるきよおくたましいほんろうされながらばんこくしようがいへとりんしてゆくげつけいかんのような大河を遊泳した。えいごうに回帰するえんかん状のほんりゆうとうくぐりながらせんをえがいてまいしんしていった。りんぶんすいれいをめざした。とくしんけいやくによって『運命』へと転生したわたしはきゆうの歴史をちようえつしていかなる存在にもりんできるはずだった。きよおくの人類における罪とばつの歴史をしようめつさせんとして五百万年の悲劇をしつぴつした預言者へとりんするはずだった。わたしは二〇世紀へとばくしんした。きよおくの人類の歴史が悲劇のしゆうえんをむかえる世紀においてげんしゆくなるけいを宣告されたわたしそのものへとりんせんとした。えいごうりよがはじまろうとしていた。とうりんちゆうにおいてきよまんの罪をおかしたわたしはふたたびきよおくの人間へと転生してすべての罪をあがなわんとしていた。

 ゆうすいたる地球がしつこくやみかんでいる。

 最愛の父親と母親がめつをむかえる全人類が待っている。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る