第3話

 へきすうのダラス・フォートワース国際空港はきようそうにつつまれた。

 くんぷうふくいくたる早春たいとうたる父親のりよかくを待望していたわたしはうつぼつたるゆうかんによりこうようするむなもとわしづかみにしていた。ボーイング757のとうちやくがおそすぎる。せいひつなるきゆうけいしよであった展望デッキにはけんごうたるTV局ほうどうじんれこんで天空をあおぎはじめた。きつきゆうじよたる報道記者たちはちゆうけいをはじめた。めいてきなるエンジンのしようによりかいなるまんぱいのボーイング757がきんきゆう着陸を試みようとしていると。悲劇のりよかくしようしてきた。さんらんたる真昼のてんがいからしつこくえいが急接近してくる。えんふんしゆつしている。はくいろりゆうじんのような狂炎がしゆよくからえんえんなびいている。車輪がふさがれている。しゆよくの車輪がしようしているボーイング757はどうたい着陸するほかない。悲劇のボーイング757はりた。陽かげろうにゆらめくターミナルAのかつそうへとしようとつするようにすべりこんだ。こうぜんたる火花がほとばしる。もうれつなるさつによってりよかくばんこくの火花にみこまれる。ばくおんひびいた。れつなるしようとつによってかいされたしゆよくごうぜんばくはつしたのだ。ほうはいたるばくはつれんしてゆく。白銀のボーイング757はしゆよくからどうたいへとばくふうあおられてゆく。黄たそがれ色のえんらんしてゆく。どうもうなるえんほうようされたボーイング757はめいもうたるふんえんをあげてゆく。かくりようたるダラス・フォートワース国際空港はちんもくにつつまれる。狂炎にゆうへいされたまんぱいとうじようしやとわたしの両親のために。救出がはじまる。えんかん状にじようした消防隊がしやくねつりよかくに寒水をふんしやする。救助隊がまいしんしてゆく。ひようかんなる猛もさたちがしやくねつのボーイング757へととつにゆうしてゆく。ひとりだけ狂炎からせいかんしてくる。とうじようしやではない。なるわたしの母親でもない。みなのためにせいになろうとしたわたしの父親であった。

 白銀の太陽がけんらんたる父親のなみだめいめつさせていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る