第2話

 運命のしゆんかんがおとずれた。

 けんらんたるおきたましいきようどうされたわたしはらんまんたる楽園からついらくしてゆくてん使のように大地をめざした。母親のたいないへとわたしはひようした。なるスチュワーデスの母親がごもったわたしはたいとうたるパイロットの父親にちようあいされながら生誕のときを望んだ。らんじゆくのときははやすぎた。白銀のボーイング757のなかで破水をむかえた母親はおうようたるどうりようたちのきゆうえんによりわたしを自然ぶんべんした。わたしはそうきゆうかたすみで生誕した。ぜんちんもくしながら操縦をつづけた父親は白銀のボーイング757をダラス・フォートワース国際空港へととうちやくさせたしゆんかんごうぜんごうきゆうした。人生はゆううつであった。るいじやくなる肉体とけんめいならぬ頭脳にうつくつしたわたしはさんらんたる思春期もおうできずにどくなる少年となっていた。ダラス・フォートワース国際空港だけがらくの場所であった。じつこんの親友などいなかったわたしはゆうすいたるダラス・フォートワース国際空港の展望デッキでたそがれどきまでぎんよくながめていた。たいとうたる父親は決断をくだした。へきすうのダラス・フォートワース国際空港にゆうへいされているわたしがほうじようなる世界をまんきつできるようにとせいになってくれた。しようがいではじめてわたしは罪をおかした。げんしゆくなるUSA航空の鉄則をじゆうりんした父親はちようあいするわたしをふうされた操縦室にしんにゆうさせてくれたのだ。白銀のりよかくは天空へとしようした。わいざつなる操縦席にせんにゆうしたわたしはせんじんけいこくへとついらくしてゆくようにきゆうの天空にいざなわれた。わたしは世界にれた。たる真昼のマッキンリー山にあつとうされれいなる太陽がちてゆくしんの太平洋にめいていした。てんろうめいめつする真夜中のワシントンD.C.にとうすいしてごくさいしきにじが君臨する夜明けの天空にこうこつとした。わたしはちようぜんと決意した。げんそうてきなるまんきようらんしたわたしはもくなままに操縦をつづける父親にぜんせんせいした。ぼくはいつか全人類を飛行機に乗せるんだと。父親はちんもくをつづけた。ぜんたるがんぼうひようへんした父親はあんたんたるしようをほとばしらせながらくんとうをさずけた。いわく全人類を飛行機に乗せるのなら全人類の生命を背負わないといけないよと。白銀のボーイング757はしよこうにきらめくダラス・フォートワース国際空港へとせいかんしようとしていた。

 かくりようたる空港はほうじようなる世界へのかけはしとなった。

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