第6話 神の手
耳慣れない声に目を覚ますと、レペセセはいかにも
沖に大きな
男たちが口々に喋り出した。
ようやく何が起きたのか分かった。奇跡だ。
レペセセは夜通しの悪夢にまだ
幼子は
涙ながらに助けを求めた。
いつか聞いた、意味さえ知らない彼らの言葉で。
「トレジャ! トレジャ! トレジャ……!」
お前も一緒に来い。
ファナフェを抱えて小舟に乗った水夫たちの一人が、身振り手振りでそう
レペセセは心に残された最後の力を振り絞ってその誘惑に耐え切った。
ファナフェを乗せた帆船はひどくゆっくりと海の彼方に消えていった。
レペセセは老いた身体を浜に投げ出した。
虫の羽音が聞こえたが、あえて
Treasure ~明日散る花~ 夕辺歩 @ayumu_yube
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