第2話 赤ん坊
レペセセは赤ん坊をファナフェと呼ぶことにした。
『明日散る花』という意味だ。
そんな、いっそ
その身を包んでいた
ファナフェはレペセセの暮らしを一変させた。
何をするにもファナフェ優先、ファナフェ中心で、唯一の住人という意味では島の
たとえ漁のためでも長くは海に
滅多に換えなかった寝床の干し草を日に一度は必ず敷き換えた。面倒でも仕方がない。ファナフェが
何も塗らないよりは良いと、遠い昔をどうにか思い出して赤土と草の汁を混ぜた秘薬を練り上げた。ファナフェの日焼けと虫刺されを防ぐためだ。
たくさんの糸を
ファナフェが長く生きるとは、レペセセは思わなかった。
島の暮らしは厳しい。どんなに気がけて世話をしても、明日の朝には冷たくなっているかもしれない。何しろここは、赤ん坊のための島ではなく罪人のための島、生を
それでも、眠るファナフェを
美しく
青く
レペセセは首を振って幻を打ち消した。
己の愚かさを
許されない。
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