Treasure ~明日散る花~
夕辺歩
第1話 出会い
あっ! とレペセセは思わず叫んだ。
気配を察してか、近付くと泣き出した。
こんな小さなものが、これだけの漂流物に押し潰されることなく、どこからも遠く
恐る恐る、レペセセは日に焼けた両腕に赤ん坊を抱えた。泣き方はいよいよ激しくなった。
この島で
去り行く船の上からそう吐き捨てられて以来、何十年ぶりに耳にする、
レペセセは重ねて驚いた。
ともすると、滅びたのは彼が幼い頃を過ごした村なのかもしれなかった。
郷愁に囚われたレペセセを鋭い痛みが襲った。
伸び放題に伸びた彼の白い
泣き声はますます大きくなる。抱えたままでは耳も
レペセセは天を
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