Act:4『デラックスパフェ』
-体育-
唯「……うん、いいね」
蛍「何が?」
唯「女の子がみんなジャージを着ていない」
蛍「お前が喜ぶのはおかしいんじゃないのか?」
唯「何故だい? ボクが君と同じように女の子の可憐な太股や、
チラリと覗く柔らかな二の腕に興奮してもいいだろう?」
蛍「『君と同じように』って俺の意志を勝手に決めるな」
唯「でも興奮するだろう?」
蛍「……ちっ」
-喫茶店「デリファ」-
カランコロン
*『いらっしゃいませー』
唯「ここの大きなパフェ、有名らしいね」
蛍「らしいな」
*「ご注文はいかがいたしますか?」
唯「それじゃあデラックスパフェ、一つください」
蛍「おい、食うのか?」
唯「うん。甘いものは人並みに好きだよ」
蛍「人並みって……だったらそんなでかいのいらないだろ」
唯「ふふ、食べたいと思ったら、我慢できないものさ」
蛍「ちゃんと全部食べろよ」
唯「来た来た。さて、お味を……うん、美味しい」
蛍「にしてもデカいな」
唯「うん、舞さんが作るくらいの大きさだ」
蛍「……否定できねえ」
*
唯「――ってことがあったんだよ」
蛍「へえ。……というかどうした? 手が止まってるぞ」
唯「ふふ……正直を言うと、もう限界なんだ。入りそうもない」
蛍「お前なあ!」
-帰宅-
蛍(デラックスパフェ……結局俺が全部食べたけど、めちゃくちゃ腹に残ってるな。
今日は晩御飯少なめにしてもらおう)
舞「おかえり、お兄ちゃん」
蛍「ただいま……ん、なんだこの甘い匂い」
舞「えへへ、パフェ作ってみたんだ」
蛍「え」
舞「お兄ちゃん甘いの結構好きだよね? 食べてくれない?」
蛍(……いやいや、さっき食べたデラックスパフェ以上じゃねえか)
*
唯「昨日は申し訳なかったね。パフェ食べさせてしまって」
蛍「ひっ」
唯「?」
蛍「や、やめろ、その言葉を言うな」
唯「……パフェ」
蛍「やめろ!」
唯「……ふふふ、どうしたんだい?」
蛍「なんだその顔! 喜んでんじゃねえ!」
唯「なるほど、あの量を食べたあとにそれ以上の物を食べさせられたってことだね」
蛍「ああ……当分は食いたくねえし、名前も聞きたくもねえ」
唯「うん……当分は言うことにするよ、パフェ」
蛍「うわぁ!」
唯「パーフェ♪」
蛍「やめろ!」
唯「パフェ~☆」
蛍「ばかやろぉ!」
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