第11話 青山襲撃事件4 秘薬

 ブルーマウンテンの街の中。

 警備団詰所の手前にある広場に、死体の山が積み上げられていく。


 当初、防衛線を張った警備団と近衛騎士からなる混合部隊の数は二百人と少し。

 正確な被害は分からないが、現在防衛線を張っているのは五十人にまで減っていた。


 そこに詰所から飛び出してきた近衛兵五十人が加わり、百人程にまで戦力が補充された。


 しかし、実際に戦えるのは七十か八十といったところだろう。

 最初から防衛線を張っていた者達の限界は、とうに過ぎているのだから。


 それに対し約六百人で攻めてきた暗殺者達の数は、三百人程にまで減らされていた。

 二倍以上の数で押し寄せたのにも関わらず、その約半分が戦闘不能に追い込まれたのである。


 集団対集団の純粋な戦闘に於いては、暗殺者側が不利になる。

 それは性質上の問題であるので、どうしようもない。


 そこを帳消しにするために、六百という数を用いた奇襲をしかけたのだ。

 しかしここまでを見ると、警備団と近衛騎士達の優秀さが際立つ形となってしまった。


 そして想定外だったのが、警備団員ターレスの存在。

 この者一人に二十人以上の上位暗殺者と五十人程の中位暗殺者を葬られたのだから、計画は大きく傾いたと言わざるを得ない。


 それに加えレッドワイルドボアの討伐に向かっていた、冒険者達三十人の早期帰還。

 数人の導師を含めた百人の上位暗殺者を対応に当たらせたが、こちらにも手練れが数名いるのだろう。


 突破こそ許してはいないが、徐々に被害は拡大しつつある。


 そして今回の作戦において、最も大きな壁となる要注意人物。

 ラーズ帝国近衛騎士団団長クラーク。


 奮迅の活躍をみせた警備団員ターレスを皇帝の護衛に回し、戦線へと躍り出たその姿は鬼か魔獣か…もしくは悪魔か。


 包囲網こそ崩れてはいないが瞬く間に七十ほどの命が刈り取られ、戦線を張る暗殺者達の心が折れかけていることは明白であった。


 皇帝を包囲する暗殺者の残りは約百三十。

 もしここでクラークに百人斬りなどを許してしまったら、皇帝側の士気が一気に跳ね上がり戦況は一変してしまうだろう。


 しかしどうしても不可解なのが、コカトリス殲滅部隊を奇襲しに向かった六百名の増援部隊のこと。

 何故一人も戻ってこないのかが、シュバルツにはどうしても理解できなかった。


 如何に近衛騎士達が屈強と雖も、コカトリスと奇襲部隊からの挟撃を受けて生き残れるはずはない。

 そこでもしコカトリスが生き残ってしまったとしても、街へと誘導すればそれはそれで一石二鳥である。


 たとえ不測の事態が起こったとしても、四百から五百は街での合流が可能な筈であった。


 そうなればその時点で決着。

 聡明な皇帝は、部下達に手を出さない事を条件に、自らの首を差し出した事であろう。


 いや…。

 クラークが一か八かで、皇帝を抱えての脱出を試みただろうか。


 しかし、来ない…。

 遅すぎる。


 暴れ回る魔獣クラーク。

 その姿に触発され、戦線を離脱していた騎士達が次々と戻ってくる。


 最早このままの静観は、二十年かけた復讐劇の失敗を意味していた。


「ふん!戻って来ないものは仕方がないな。そもそも数での決着を試みたのは、安全策でしかない。本命となる我等の力を使わずに皇帝の首を取ろうなどとは、やはり虫が良すぎるというものだ。お前達もそうは思わないか?」


 シュバルツが問いかけると、後ろで腕を組んでいた五人の暗殺者達が無言で頷いた。


「見せてやるぞ!我が二十年を越えた積年の恨みを。数での奇襲など、所詮は御膳立てよ。ここから見せるのが本命!それは騎士や戦士を真正面からねじ伏せる、特上の闇だ!」


 シュバルツが前線へと駆け出すと五人の内の三人がそれに付き従い、残りの二人は救援に来た冒険者達へと向かった。


◆◆◆


「お、おわぁ!また三人同時に吹き飛ばした。こ…こえぇ。」


「今、顔についた血を舐めてなかった?魔獣よ。あれは人の皮を被った魔獣なんだわ!」


「ママー!こわいよー!血まみれの怪獣が暴れてるよー!」


 圧倒的な武力。

 それは多くの戦士が追い求めて止まないものである。


 しかし戦う相手との力の差がありすぎる場合、それは見る者からすれば悲惨な光景となってしまう。


 特にそれが武器など一度も持ったことのない一般市民となると、その効果が顕著となる。


 やられているのは敵。

 皇帝陛下の命を狙って押し寄せて来た、不届き者の集まり。

 倒されて当たり前の相手。


 しかし震えている。

 明らかに怯えている。

 そこに非常にも振り下ろされるハルバート。


 あくまでも敵と戦っていたターレスに対し、敵を一方的に蹂躙するクラーク。

 その姿は住民達の心に味方であることを忘れさせ、恐怖を植え付けていた。


「相変わらず人を辞めてるな…あいつ。」


 ターレスが苦笑しながら、虐殺の光景を見つめていた。


「陛下、これならこのまま追い払えるんじゃないですか?」


 ターレスの言葉に、周りの警備団達も同意する。

 クラークが暴れだしてからというもの、他の者はほとんど剣を振るっていないのだから。


 あと五十人程クラークが倒してくれれば、戦況は一変し一気に覆る。

 それは誰の目から見ても明らかであった。


「いや…。そこまで簡単に、事は進まないであろう。」


 しかしレオハルトだけがその意見に反論する。それは最後まで気を抜くなと言いたいわけではない。


 この場で唯一シュバルツという男の事を知っているからこそ…この先に楽観視できる未来は存在しないということを、レオハルトは確信していたのであった。


 その時、突如暗殺者達の壁が割れた。

 そこから現れたのは一人の暗殺者と、それに従う三つの影。


 それぞれ暗殺者然とした格好の者達ではあったが、全身に纏っている布の色が違った。


 通常、暗殺者達は漆黒の布で全身を覆っている。

 肌が露出しているのは目の部分だけであり、その他は全て隠されている。


 しかし今現れた暗殺者達が纏う布の色は、黒色から灰色に近づいた墨色であった。


 もし墨色の布だけを見れば、あまり疑問に持たないかもしれない。

 しかし漆黒の布で溢れる空間の中に墨色の布を纏った者が現れると、とても目立つものであった。


「やっと姿を現したか、シュバルツ。」


 レオハルトが先頭の男に向かって話しかけると、クラーク以外の全員が驚きの表情を見せた。


 それは警備団員や近衛騎士達だけではない。明らかに驚いた様子の暗殺者もいた。

 おそらく全員に、過去の因縁まで詳しくは話していないのであろう。

 それは当然といえば当然であるが。


「ふん!やはりワシの存在に気づいておったか。相変わらず忌々しい小賢しさよ。」


「全てを見下す様な話し方は変わらぬな。それで?ここからどうするのだ?まさか王の剣たる近衛騎士団団長のクラークを、真正面から倒せると思っているわけでもあるまい。」


 するとレオハルトの前に出たクラークが、人外ともいえる殺気を…いや鬼気を、シュバルツに向かって放った。


 周囲にいた暗殺者達は一斉に後退し、前列の者は構えた武器と奥歯をガタガタと震わせていた。


「くくく…いい〜気合いだ、クラーク。あの時のはな垂れ小僧が、ここまでの殺気を放つ様になるとはなぁ。レオハルトも良い拾い物をしたものよ。」


 その様子を見ていたターレスが、警戒を強めた。

 あのクラークが本気で放った殺気の前で、シュバルツと呼ばれた男は平然と笑っていた。


 そんなことはたとえ演技であっても、小物には絶対できるものではない。


 目の前の男は強い。

 いや、ヤバい。


 ターレスの戦士としての本能が、最大級の警鐘を心の中で鳴らし続けていた。


「随分と強がっている様だが…。過去にどれだけの栄光があろうとも、もう歳も六十を過ぎたのだろう?その様な御老体が今の俺に、どうやって勝つと言うのだ?」


 そう。

 クラークの言うように現時点でのシュバルツは六十歳を超えているはずであり、人間族としての平均寿命を超えてしまっている。


 個人差があるとは言っても三十路過ぎの一番脂の乗っている歳のクラークと対峙して、勝てる道理がそこに見えるかと言うと…


「誰が六十過ぎの御老体だって?」


 そう言うとシュバルツは、顔を覆っていた墨色の布を徐ろに取り外した。

 中から顔を出したのは、二十歳くらいの青年。


 とても六十年以上の歩みを経たとは思えない顔が、そこにはあったのである。


「なっ!」


 これには流石のレオハルトも、そしてクラークも絶句した。


 目の前にいる人物は確かにシュバルツである。


 話し方、纏う雰囲気。

 そして何よりも本人がシュバルツと呼ばれて、それを否定しないという事実。


 しかし明らかに年齢がおかしい。

 そもそもレオハルトが王位を継承する時に追い出した、二十年前よりも若い姿であるという事はどう考えても異常である。


 となると、答えは一つ。

 秘薬の王を使ったのだ。


「エルフの黄秘薬おうひやくか!」


 再び場が騒然となった。

 今回は理屈的な意味で。


 その場のほとんどの者が思い浮かべたのは値段であった。

 想像もつかない値がつく薬と、それを使用した人物が目の前にいるという事実。


 この二つに全員が別の意味で驚愕したのである。


「ふん!手に入れるのは随分と苦労して、痛い目にもあったがな。しかしそれでも漲る若さと力がこの手に戻ったのだから、支払った代償は安いものだと言えるだろう。」


 そう言い終わった瞬間、周囲に極寒を連想させる殺気が放たれた。

 一部の警備団員はそれを受けて、口の中でガチガチと歯を鳴らした。


 レオハルトは思考を回転させる。

ーー確かに恐ろしい殺気だ。六十まで生きた人生

  経験も加味されて、全盛期を超えた力を今の

  シュバルツは手にしているのであろう。

  しかしそれでも純粋な戦闘では、クラークに

  届かない。

  それが分からない男では無いはず…。


  だか黄秘薬を何処で手に入れた?

  尋常ではないリスクを冒して、エルフの里を

  襲撃でもしたのか?

 

  確か二十年前に王宮の宝物庫に黄秘薬は無

  く、持ち去られたのは白秘薬が三つに黒秘薬

  が二つだったはず…。

  まさか!


 雷に撃たれる様にとは正にこの事。

 バラバラで纏まらなかった点と点が、一瞬で線へと繋がった。


 レオハルトは自らの首元に、死神の鎌が添えられた感覚を強烈に感じた。


「しかし…。いや、まさか…。」


 そしてすぐさま、吐き出す様にして叫んだ。


「クラーク!今すぐにシュバルツを討て!奴に何もさせるな!」


 打たれた鐘の音の如く、間髪入れずにクラークが飛び出した。

 そのまま独楽の様に身を回し、踏み込むのと同時に存分に遠心力の乗ったハルバートを横薙ぎに振る。


 周囲の空気を巻き込みながら走るハルバート。

 烈風と共に、そのままシュバルツの首へと…


「なに!?」


 ハルバートはシュバルツの首を宙に舞わせたはずであった。

 しかし信じられないことに、それは第三者によって行く手を阻まれていた。


 シュバルツとクラークの間に割って入ったのは、墨色の布を纏った暗殺者。


 マチェットとダガーを交差させ、クラークの放ったハルバートを全身を使って受け止めていた。


 その直後、後ろから飛び出た二つの影が、クラーク目掛けて空中から連撃を放つ。

 クラークは体を捻り後退しながら華麗に躱したが、その太刀筋の質に驚愕した。


 通常、暗殺者の放つ太刀筋は「切る」事を目的としている。


 それは背後や暗闇からの必殺でない限り、暗殺者は「相手を弱らせる」ことを最優先とするからだ。

 そして毒を用いるのであれば「切る」以上の動きは必要とならない。


 しかし今、目にした太刀筋はあきらかに「断つ」ことを目的にしていた。

 一見それは些細な違いに思えるが、定義としてはあり得ないこと。


 単純に表現するのであれば、それは暗殺者が戦いの中で剣士の技を使ってくるという事である。

 そんな動きを可能とした暗殺者など、見たことも聞いたこともない。


 それは目の前にいる墨色の暗殺者が、クラークが積み上げてきた戦歴を振り返っても全く未知の存在である事を意味していた。


「クラーク!!」


 思考の波に一瞬攫われてしまったクラークの耳を、レオハルトの切羽詰まった声が打つ。

 一瞬とはいえ、目的から目を逸らしてしまった。

 それを恥じながらも、クラークはシュバルツの姿を確認したが…


「くくく、もう全てが…。そう!全てが終わったのだよ。」


 シュバルツがそう言い終えるのと同時に瓶が地面に落ち、上質なガラスの音が広場に鳴り響いた。


 クラークの足元に転がってきたのは、華美な装飾の施された黒い器。


 シュバルツへと視線を戻すと、そこにあるのは卑俗な笑み。

 両手は広げられ、全てを見下す様な構えをとっていた。


「まさか…全部飲んだのか?ば、馬鹿な!」


 レオハルトが狼狽えていた。


 それもそのはず。

 エルフの黒秘薬は一口飲めば一時的に能力が五割増し、半分飲めば二倍にまで上昇すると言われている。


 しかし半分以上の服用は副作用としてその後の能力を低下させ、場合によっては行動不能を引き起こす。


 そして一本の瓶全てを飲み干せば、しばらくの間ではあるが十倍の能力を引き出すことができると言われている。

 ただしそれは、使用者の命と引き替えとなるのだが…。


 確かにシュバルツは今、黒秘薬の全てを飲み干した。

 それは見た目は変わらずとも、人間を辞めたことを意味する。


 目の前にいるのは、もはや影法師シュバルツではない。

 魔獣をも喰らう悪鬼とでも言った方が、正しいのかもしれない。


 その悪鬼を呼び起こしたのは一つの執念。


 街を巻き込んででも…

 己の命を捨ててでも…

 必ずレオハルトの命を取るという、怨念にも似た執念である。


 そこまでとは考えなかった己の浅慮を、レオハルトはひたすらに悔いた。


「お前達はレオハルトをやれ。コイツの相手はワシがする。」


 シュバルツはクラークとの間にいた墨色の三人を、一旦退がらせた。

 それは周囲の者達にとって、意外な展開であった。


 ここまでの執念を見せる復讐の鬼。

 目的である皇帝の首だけは自らの手で取ることに執着するだろうと、その場の誰もが考えていた。


 しかしそれを聞いたレオハルトは、考えを改めた自分の認識がまだ甘かった事を痛感する。


 そう…。

 手段になど拘らないところにまで極まっているのだ。

 この男の執念は。


 求めているのは結果のみ。

 手段など、どうでも良いのだ。


 何を仕出かしてもおかしくない。

 何を巻き込むか分からない。


 己の認識の甘さが最悪の事態を招いてしまった事に気付いたレオハルトは、ここに来てやっと常軌を逸した狂気の恐ろしさを理解した。


 墨色の三人が皇帝へと向かう。

 ターレスが間に入るが、既に満身創痍の状態である。

 ただの上位暗殺者ならまだしも、ここから未知の存在と渡り合う事などできはしない。


 そして身を呈してでもそれを阻止するべきクラークは、全く動くことができなかった。


 今シュバルツの周りを覆っているのは、絶対強者だけが纏う空気。

 口から出ている蒸気の様なものが、最強の騎士の目に恐れを可視化させる。


 目を逸らしたらその時が最後。

 クラークにそう思わせるほどの殺気が、卑俗な笑みを浮かべるシュバルツの目から溢れ出ていた。


 ここでクラークは全てを拾うことを諦めた。

 皇帝の命を守る為には、墨色の三人をターレスに任せるしかない。


 そして自分は刺し違えてでもシュバルツを討つ。

 もはやその道にしか活路は無かった。


「ターレス、陛下を頼むぞ!他の者も死力を尽くして陛下をお守りしろ!ここが正念場だ!」


 その瞬間、動きの止まっていた暗殺者達が一斉に動き出した。

 それは余計な手出しをさせない為。

 自分達の代表が、この戦いの終止符を円滑に打てるようにする働きであった。


 シュバルツの視線が、全体の動きへと向いたその刹那であった。

 クラークはハルバートを垂下させたまま飛び出した。


 人間離れした踏み込みの速さは、窓越しに見守る住民達の視線を置き去りにした。


 地上すれすれを滑走した後、突如真下から爆風と共に突き上げられるハルバート。

 それはまるで曇天を嫌う魔獣の王が、空へと向けて突き放つ怒りの咆哮。


 クラークが絶対の自信を持って放つハルバートの絶技『衝天しょうてん吼号こうごう』。


「ガァァァァァァアーーーー!!」


 人の発したものとはとても思えぬ声が、広場を震わせる。

 それと共に空気を下から切り裂く音と衝撃波が、天上を目掛けて放たれた。


 だが…しかし。

 しかし、ハルバートの刃は天を見上げていなかった。

 クラークは目を見開き、絶句していた。


「こ、ここまでのものなのか…。」


 動揺を隠せないレオハルトの心が、声になって周囲に溢れた。


 全員の動きがピタリと止まる。

 それぞれの視線の先にあったのは、逆手に持たれた一本のダガー。

 そこで行く手を阻まれたハルバート。


 それはまるで大人が子供の打ち込みをあしらう様に、軽々と受け止められていたのである。


「クックック…。これは良い!良いぞ!素晴らしい成果だ!あの馬鹿な結末を迎えた学者共も、一応は良い仕事をしたと褒めておいてやろう。」


 悦に浸るシュバルツ。

 すかさずクラークは身を捻り、回転させてからの横薙ぎを放った。

 耳を突くような風切り音が、周囲へと響く。


 しかし同じようにしてハルバートは軽々と防がれた。

 そして持ち変えて放った袈裟斬りに至っては、木の葉を払うかの様に逸らされてしまう。


「な!なんだ?何が起こってやがる!陛下、さっきあいつが飲んでたのは何です?あいつは何を飲み干したんですか!」


 ターレスが叫ぶように問いかけた。


「エルフの…黒秘薬だ。」


 それを聞いた敵味方全員が絶句した。


「は?…はぁ?!し、しかし、あいつは全部飲んでましたよ。全部飲んだってことはつまり…。」


 その先をターレスは口にしなかった。


 それは跳ね上がった能力への恐れか。

 それとも命を捨て去る覚悟に対する恐怖か。


 自分でもよく分からなかった為、言葉にならなかったのである。


 松明の火が跳ねた。

 夜闇は既に周囲を包んでいる。


 誰も喋らない。

 音もたてない。


 再び天を見上げ、ゆっくりと両手を広げたシュバルツだけがその場で一人笑っていた。

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