第7話 どうして

簡単なあらすじィ!

気付いたらバベルの塔が四方向にできたため、僕たちはお兄ちゃんの弟、フェネクスくんと一緒に北の塔に向かうよ!


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「準備はできたね?」


「はい…できました」


「よし!じゃあ出発しようか!」



とりあえず塔に向かって歩くよ!ていうかそれしかない!


『ねぇ、フェネクスくんに色々聞いてもいいかな?あ、お兄ちゃんの事情には触れない程度にね?』


『あぁ。俺も聞いてみたいからな!よろしく頼む!』


「…ねぇフェネクスくん」


「ん、どうしたんですか…?」


「君…もしかして…神?」


「…なんでわかるんですか…?」


「まあ僕も神に似た一種だからね!ちなみにその神ってのが幻獣フェンリル!」


「フェンリル…ですか」


「そう!そこで話は急に変わるんだけど…なんの神かな?」


「フェニックス…不死鳥といえばわかりますか?」


「なるほど!じゃあ死なない…死なないっていいね!」


「そうですか…?一見良いものに見えて残酷なんですよ…?友達が死んだとしても自分はずっと生きていかなければならない…死にたくても死ねない…自分以外の人間が滅んでも死ねないからその世界で永遠にひとりぼっちで暮らしていかなければいけないんですよ…?」


「…そっか…つらいね…?」


「ほんと、辛いですよ…」


…そこまで辛いなんてね…初めて知ったよ。


「…また話は変わるんだけどさ…?」


「変えたがりですね?」


「ははっ!暗い話はやめだよ!君に兄弟はいるのかい?」


「…っ!なんで知ってるんですか…!?」


「…僕にも兄弟がいるんだけどさ…不良の事故で死んじゃったんだよ…」


「…そうですか…!僕は…っ!」


…!様子がおかしい!


『おい!早く止めろ!どうなっても知らないぞ!?』


『わかってる!』


「あ…何か話しにくい事情とかあったら無理して言わなくていいんだよ?…なんか…ごめん」


「では聞きます…どうして質問がピンポイントなんですか…?」


「それはね?僕の身近にはそこまで似たような家庭を持ってる人が少なくてね?仲間がいたらいいなー…って思って聞いてるんだよ?僕は君の家庭の事情とか構成なんて全く知らない。…だからこそ聞いてみたいんだよ?でも話しにくい事情とかあったら話さなくていいんだよ?無理しないで?」


「…そうなんですか」


…よし!なんとか止めれた!質問を続けよう!


「…あ、聞いておきたいんだけどさ?」


「なんですか…?」


「戦闘能力は…ある?」


「…無いです。でもある程度なら…」


「そっか!じゃあ…もし戦闘に入ったら隠れてて?僕は強いから!任せて!」


「じゃあ…お願いします」


ははっ!フェネクスくん、嘘ついた!…でも二重人格なら知らないってこともあるかも。


「あ、もう一度確認するけどさ、神なんだよね?」


「はい…」


「よし!戦闘中に辛くなったら…君の力を借りてもいい?」


「え…?」


「僕はね?神と融合する力を持ってるんだけど…君は神だから僕と融合できるな!って思ったからさ?…いいかな?」


「…非常時だけですよ…?」


「うん!ありがと!おっと、質問しすぎちゃったね!そっちも質問したければしても良いんだよ?」


「…なら…僕の兄と姉に関わったことは…ありますか?」


…おっと、これ正直に答えたらレッドゾーンの質問だね!嘘つかなきゃ! 


「兄と姉かぁ…名前は?」


「どっちもフェニックス…」


「フェニックス…ごめんね?僕はわからないよ?ていうかどっちも名前が同じって不便だな…」


「…そうですか…」


よかったァァァァァ!バレなかった!


「あともう一ついいですか…?」


「もちろん!どんどんきて?」


「…オレンジさんの力の源ってなんですか…?」


「力の源?」


ん?力の源?…これって正直に言っていいやつ?…一応嘘ついとくか…


「はい…一応聞いてみたいんです…」


「力の源ねぇ…9割がサンドスターだね!」


「残りの1割って…」


「武器だよ?」


「武器…背中にあるものだったり腰につけてある鞭のことですか…?」


「そう!この武器たちには一つ一つに特殊能力が備わってるからね!ちなみにこの背中にある大太刀は刃こぼれしない、切れ味が下がらないようにしてあって、この腕についてる短剣が投げて刺さった場所に瞬間移動して…鞭が単純にセルリアンキラーって感じ!」


「なるほどです…」


んー…これは嘘ついて良かったのだろうか…?

でもでも!そんなこと話してるうちにもう着いたよ!やっぱ高いねぇ…


「…高い…」


「…これ飛んで行けないかな?」


「…多分行けないと思います…強力な結界が張ってあるので…」


「おお、よく感じ取れるね!すっごーい!」


「さあ…行きましょうか…何があるかはわからないので…」


レッツゴーですー!



「えっと…何々?」


看板がドンッ!…って置いてある!そこには記憶の螺旋階段って書いてある!…かっこいいね!


「…二つ…多分これ、別々に登れってことじゃないですか…?」


「そうっぽいね!じゃあ僕はこっち登るからさ?フェネクスくんはそっち登って?」


「わかりました…」


登り始めると…壁に絵画が飾られてる。なんの絵画かなー?モナリザとか?


「…は!?待って待って!?」


「どうしました…?」


「なんで…僕の小さい頃のものが…!?」


「小さい頃…?」


「…!?あっちも!?そっちも!?…ちっ!記憶の螺旋階段ってそういうことか…!」


多分…己の今までの記憶全てをコピった絵画が飾られてる…僕キラーすぎる…!


「っ…!こんな絵画…!」


「フェニクスくん…?どうしたの…?」


「…こんなもの…こんなものォォォ!」


「!?」


『やばい!暴走直前まできた!止めろ!』


『んなこと言われてもどうすれば!』


『抱きしめてやれ!』


『う、うん!』


「…!」バッ


とにかく飛んででも止めなきゃ!


「なんで僕にこれを…!」


「待って!止まって!」ギュ-


「!?」


「…!?///」


うぅ…まだ親しくなったばっかの子に抱きしめちゃったよ…なんてオオカミさんに理由を説明すれば…


「ご、ごめん…///」


「…」


「えっと…さっきの質問と今起きたことを使って推理すると…話せない事情が…あったのかな…?」


「…うん…」


「そっか…じゃあさ…僕の記憶を一緒に見る?見たくないんでしょ…?」


「…じゃあ…」


…他人に記憶を見られるのかぁ…なんかやだ!



「…これは…?」


「あぁ!これね?この絵画は…僕にとってもあまり見たくはないものだけど…僕が親から虐待を受けてる絵だね…」


「…虐待?」


「うん。僕はパークに来る前、親からは虐待を受けて、学校でもいじめを受けてた。…それに耐えられなくなって…パークに来た」


「…そうなんですか…あの…なんでそんなに簡単に自分の辛い過去を他人に話せるんですか…?」


「え?…僕はもう親のこと、いじめた人のことは許してるからね!」


「許してる…?」


「うん!僕がパークに来た時よりかは遅いんだけど…親も、いじめた人もパークに来た。そこでみんな改心してくれたからね!そこで信じてあげても良いなって思ってね!」


「…僕にも…その許せる心というものはあるんですか…?」


「…それは自分次第になるかな…?」


…そうだ!ここでお兄ちゃんとフェネクスくんが和解できるようにちょっとヒントをあげようか!


「相手に依存することもあるけど…その場合、相手が反省の気持ちがあるか、とかのことを含めて考えて?考えることは大事だよー?もしかしたら自分の思い込みだけで犯人を想像してるだけかもしれないときがあるんだから!」


「…そうですか…」


『…ナイスヒントだ!言葉がうまいな!』


『そうかな…?』


「…さあ!どんどん次に行こうか!」



自分の思い出語りをしながら頂上にやっと着いた!


「…ふぅ!お疲れ様!休憩とりたい?」


「いえ…まだまだいけます…」


「そっか!じゃあここの広いところを探索しようか!」


「…探索する必要は無さそうです…」


「え?」


フェネクス君が指差した先には…巨大な絵画。そこに描かれていたのは…


「!!!???」


…まさかこの絵が出てくるとは…

とある森の中、オオカミとライオンとフェネックとフクロウ2匹がお互いの体を寄り添いあって寝ている絵画…アレだ…お兄ちゃんが見せてくれた写真と全く一緒だ…


「…なんですかこの絵画は…」


「…これは…僕たちの祖先だよ」


「祖先…なんだか懐かしいものを感じます…なんか…その空気にもう入り込んでしまいます…」


パァン!


「いっ…!?」

「!?」


乾いた破裂音と同時にフェネクス君が…撃たれた!?

負傷部は…左肩!?


「…ちっ!どこだ!」


「痛い…痛いよぉ…」ウルウル


「…大丈夫?すぐに弾丸抜くからちょっと我慢して…?」


物理操作あってよかったー!


「ーーーーーっ!」


…そりゃあ痛いだろうよ…神経が通っている肉質を別の個体が擦れてるんだもん…

おかげで言葉にならない苦しみの声をあげてるよ…


「…ごめんね?…この弾丸…妙に綺麗だね…」


「つつつ…血でわからないん…ですね…?拭いてみたら…どうですか…?」


「…ハンカチあるね!よし!拭こう!」


ハンカチでその弾丸を拭くと…銀色の光沢が出てきた。…まさか…これは…!?


「おい…これって…!?」


「銀…!?」


「銀の弾丸…!?」


銀の弾丸…それは西洋の信仰にて、狼男やらの化け物や魔物、悪魔を仕留めるための弾丸…僕はドラキュラ…つまり吸血鬼にしか効かないと思ってたけど…神にも効くのか…?それに不死鳥だから…


「…すみません…さっきの言葉、訂正させて…いただきます…」


「訂正?」


「はい…僕は不死鳥ですが…ただの不死鳥では…ありません…僕は不死鳥の悪魔と言われて…きました…」


「は!?不死鳥の悪魔!?…待て!死ぬな!」


「…休ませていただきますよ…」


「うん…ゆっくり休んd」


パァン!


「させるかァァァ!」


…!今度は止められた!物理操作…どこまで効くか!?


「…すみません…」


「無理しないで?…どこだ」


「誰かいないの!?助けて!」


…ん?この声は…!?


「その声…カカオ!?」


「オレンジ!?こっち!」


周りを満たしていた黒い雲が晴れると…鎖で壁に繋がれているカカオがいる。助けないと!


「ごめん、ちょっと待ってて?」


「…はい…」


「…カカオ、大丈夫?」


「うん…気付いたらここで縛られてて…」


「そっかそっか…遅れてごめんね…」


「いいよ!助けてくれたんだし!」


…いや待て…?この世界に干渉してる僕たちの次元のパークの住人は僕とお兄ちゃん、お姉ちゃん、フェンだけ…誰か来るなら地響きがなってワープホールが来るはず…

…!こいつ偽物だ!はっは!僕たちの絆には勝てなかったな!

ということは銃を…隠し持ってた!いやわかりやすいな!?ポッケに入れてあるだけ…

…せめてホールド作ろうよ。

まああるってことはわかった!対策はさせてもらおう!…まずは撃たせよう!


「よし!じゃあ僕はあの子の治療もあるから急ぐよ!カカオも早く来て!」


「うん!」


走って向かうと…ほんとに小さい音だけどカチャって銃を構える音がなった。よし!撃ってくる!


「…死ね」


パァン…

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