どうして、こんなことにー!?2

「て、ロノアー! どういうこと!」


「おはようですわ」


「えっ? あぁ、うん。おはよう」


「それじゃ、一緒に行きましょう、マオちゃん♪」



「そ☆れ☆で、どういうこと? ロノア? ねぇ、どういうことなのかな?」


「なんのことを言っているのかさっぱりわかりませんわ」


「だ☆か☆ら、この子のことに決まってるでしょ!」


「この子と言われましても。なんのことだかさっぱりわかりませんわ」


 私は今、訊いていたのだった。そう、朝、私の部屋にいた彼女について!

 というか、絶対知ってるはずなのに、知らないふりをするとかおかしいでしょ!


「だって、この子が言ってたんだからね!」


「まさか、言いましたの?」


「す、すいませんロノア様! 私としたことが、その、つい口が滑ってしまいまして..........」


「ま、まあ、いいですの。そのぐらいなら、まだ大丈夫そうですの。」


「て、やっぱりロノアなんか知ってるってことでしょー!」


「あっ! まあ、そうですの」


「それで、どういうことなの?」


「マオ様、ロノア様、学校に着きましたよ」


 て、なんで聞けるというところでこうなるのー!まあ、同じクラスだからいいけどね!

 私は、出鼻をくじかれたような思いをしたのだった。



「そ☆れ☆で、どういうことなのか、説明してくれるかな? ロ☆ノ☆ア!」


「その、それは、説明すると話が長くなるので、放課後にちゃんと話しますわ」


「うっ...........。わかった。それじゃ、ちゃんと教えてね?」


「わかりましたわ」


と、そういうことで、放課後に話を聞くということになった。

 もちろん、放課後まで時間は結構ある。

 というか、よく考えたら昼休みもあるんだから昼休みのときでもよかったのでは?

 ま、まあ、もう過ぎちゃったわけなんだし、別にいいけどさ! 別にいいんだけどさ!

 そう、私は『ミスったな~』なんてことを思っていたのだった。


 そうこうしていると、最初の時間が始まった。


「はぁ~、疲れた~」


と、思わずそんなことを言っていると、ロノアが近づいてきて、「次は昼ご飯ですわね!」と、なんだか嬉しそうにそんなことを言って、先に行ってしまった。



「うわぁ~!」


「マオちゃん、どうかしたんですの?」


「えっ? あぁ。昼ご飯、すごく美味しそうだなって」


「そ、そうですの?」


「えっ、うん。普通に美味しそうだと思うけど?」


「それなら頑張ったかいがありましたの」


「それじゃ、いただきます」


 私はそう言ってから、ロノアが作ってきてくれた昼ご飯を食べることにするのだった。



「本当においしい!」


「その、それはいつもはおいしくないということですの?」


「違うよ! いつもよりもおいしいってこと!」


「そうでしたの。でも、おいしいと言ってもらえると嬉しいものですわね」


 そう考えると、ロノアが昼ごはんの時間の前にあれだけ嬉しそうにしてのも頷ける。

 それにしても、本当においしい昼ごはんだった。


 そうして、昼休憩の時間も過ぎ去っていったのだった。


「それじゃ、今日の内容はここまで。ちゃんと復習するように!」


 そうして、今日の学校も終わったのだった。

 てか、よく考えたらロノアはこの後時間がないはずなんだけど、でも放課後になったら話すって約束だしね。

 そう思いながら、ロノアの方に行くと、


「わかってますわ。それじゃ、ひと目のつかないあのベンチまでついて来てください」


と、そんなことを言われたのだった。

 私は、行くまでの間にたくさんの生徒とすれ違った。私に勝負を挑んでくる生徒なんていなかった。それは別にいいんだけどね?

 でも、ロノアにも勝負を挑んでくる生徒はいなかった。昨日はあれだけいたはずなのに、どうしてなんだろう。

 私のそんな疑問になど気にした素振りもなく、普通に歩いている。

 そうして、ひと目のつかないベンチに着いたのだった。


「それで、どういうことなのか説明してくれる?」


「昨日のことを思い出してくださいな」


「昨日の、こと?」


「そうですわ。昨日マオちゃんが私にしたことをですわ」


「昨日、私がロノアにしたこと......」


 確か、昨日はいい加減逃げることに疲れたからって理由でロノアに戦ってもらったんだっけ? うん、確かロノアは負けなかったって言ってたっけ?

 それって、もしかして......!


「どれくらいの数と戦ったの?」


「一人ですわ」


「一人? あんなにたくさん追ってきてたのに?」


「さすがの私でも、あの数全部を相手にしたら勝てませんわ。ですので、そんなかでも一番強い人に速攻で勝ったら終わりましたわ」


 あぁ、確かにそうすれば一人と戦えばいいのか。てか、そりゃそうだよね。一番強い相手に、手も足も出させずに勝ったらさすがに諦めるよね。


「それで、どうして彼女は私の部屋にいたの?」


「それは私の命令ですわ」


 命令、ああ! そういうことか! て、忘れてた!

 てか、先輩はあの中で一番強い人だったのか。


「それって、仕返しってこと? いや、でもどうして部屋の中に?」


「そうかもしれませんわ。それは、本人に聞いてくださいな。というより、それは私も知りませんわ」


「う~ん、わかった」


「まあ、そういうことですわ」


 そうして、少しだけ謎は解けたのだった。

 てか、私が忘れてただけなんだけどね!

 さて、本人にどうやって入ったか訊かなくちゃ!

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